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石にできること!

 レンは昼間の温かい時間で眠気が襲い掛かってくるのをこらえながら今日の授業を受けていた。途中、担任に笑われながら帰って休むかと聞かれたが頑張って最後まで起きて授業を受けた。

 授業が終わり部室へと向かっていると廊下で待っていたサクラが話しかけてきた。


「レーン君!今日は部室に行くの?」


「あぁ、うん。今日も実験があるからね。」


「ふーん、じゃあアタシも一緒に行ってもいい?」


「うん、もちろんいいよ。サクラさんも研究内容決めたりしないとだもんね。」


 レンとサクラは部室へと歩いて行った。道中は自分の研究内容や学園で起きたことなど話していた。そう話しているとあっという間に部室の前に着いた。


「おつかれさまー……って今日はリコさん家に帰るって言っていたな。」


「リコさんって……あの野狐族で成績トップの?」


「そうだよ。今日は帰ったみたいだけど。」


「そう……。さて、アタシは何の研究にしようかなー?」


 そういって本棚に向かって魔導書を読み始めた。二人に何かあったのか気になったが、レンは魔道具の効率的な精製方法を開発する目的を思い出す。レンは紋章を封印する石を精製するための材料と魔道具の準備に取り掛かった。

 いつものように、クリスタル、ミスリル、ドラゴンスケイルを作業台の上に置き、それぞれを削り出す。魔道具の中に素材を入れ、次に古文書に書いてある紋章と魔道具の紋章と繋がりを持たせるための紋章を描き、魔道具の下に敷いた。

 すべての準備が終わるとサクラは近くに寄っていた。リコもそうだがサクラも女の子のいい匂いがした。生まれてこの方女性経験がほとんどないレンにとって、振り向けば鼻が当たる距離まで近づかれると意識してしまう。レンはこのプレッシャーと実験がうまくいくかで少し緊張してしまう。


「い、今からすごく光るから直接見ないほうがいいよ。」


「そうなの?じゃ、離れているね。」


「魔石をセットして……あれ?……そうだ、昨日すべて使い切ったんだった!!」


「うーん……自分の魔力で作ってみるか……」


 レンは制服の一つであるゴーグル付きの額あてを装着し、ゴーグルをかけ、魔道具に手をかざし魔力を込めた。すると、レンの中でとてつもない量の魔力が減り、脱力感を覚えた。ゴーグルをつけていても直視できないほどの眩い光が部室を包み、キィンという音と共に光が消えた。魔道具の中をのぞくと石ができていた。


「や、やった!今日は一発で成功した!」


「それはなに?」


「これはね、紋章を封印する石なんだ。魔法の紋章を封印すると、誰でもその人の魔法が使うことができるんだ。いろいろ限度はあるけど。」


 レンはサクラに対し胸を張って成果物の説明をする。サクラは口に手を当てて少し考える。


「ふーん、紋章を描いて発動するものの効果なのね。でもそれって今普及している生活魔法とか戦闘魔法の入っている魔道具でもよくない?」


「……。」


 レンはサクラの指摘に答えることができなかった。生活必需品である炎や水の魔法などが封じられている魔道具があり、戦闘用の魔道具もある。それとの差別化については考えていなかった。

 研究するならそれについても考えないとならないのでレンはがっくしと肩を落とした。その様子を見てサクラは慌ててフォローする。


「い、いじわるで言ったわけじゃないのよ?研究発表するときに突っ込まれるポイントになるんじゃないのかなって思って気になったの。」


「うん、その通りだよ。サクラさんのいうことは間違っていない。」

 

 サクラはレンが気を落としたことを気にしていたが、自身も研究の題材を決めなければならないことを思い出し、両側の頬を叩いて気合を込める。

 

「よーし、アタシも研究探ししますか。レン君、もしアタシにも手伝えることがあるならいつでも言ってね。」

 

「うん……。」


 サクラは本棚や魔道具を調べて研究の題材を探していた。レンは石を見ながら上の空だった。


(うーん……。魔道具とこの石の差別化ってなんだろ……)

 

 周りを見るとこの部屋には魔道具がたくさんある。ふといつも使っている魔道具の刻印が目に入った。その刻印は紋章のような刻印ではなく製作者のマークであり『いぬの工房』と刻まれていた。レンは閃くと椅子を弾き飛ばしながら立ち上がる。その様子に驚いたサクラは硬直する。

 

「サクラさん、オレちょっと帰る!部屋は自由に使っていいよ!」


「え!?ちょっ!!」

 

 サクラの返答を待たず、カバンを持って部室を後にした。町へ戻ると、工房が多く並んである通りに向かって歩いていた。

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