不運な日常
地球より遥か遠く遠い所で宇宙人が住んでいる惑星がある。学校とその寮、家、アミューズメント施設、商業施設、会社、スタジアム等々が環のように惑星の周りを回りながら宇宙人達が生活している。
ある学校の生徒の1人にエインという宇宙人が期末試験を解いている。エインは手を止めることなく問題を解いていく。そして、真っ先に筆記試験を終えたエインは暗澹とした表情で教室の窓から玄の中で煌めく星々を眺めていた。この後に控える実技試験のことで憂いていたのだ。実技の内容は“適当な惑星で生命体を捕らえる”というものだからだ。その文面を思い出し溜息が出る。元々エインは寮で生活していてリアンというルームメイトが1人いる。そのリアンというのは少しお茶らけた性格の持ち主で放蕩者である。几帳面なエインとは馬が合わないのだが同じ寮室で生活するうちに砕けた言葉を交わすようになっていった。そして、エインはこの学校の特待生である為、実技の成績も上位でなければ学費免除が受けられないのだ。エインは重い足取りで寮に帰り扉を開けながらボソッと「うちの宇宙船5世代前でおじいちゃんの代から使ってたからぼろいんだよなぁ」と吐露する。するとルームメイトのリアンから「俺の宇宙船だって同じだよ」と言葉が返ってくる。先にリアンが返っていることに驚き呆けていると、立て続けに「筆記の試験成績良かったんだから多少実技の成績が悪くても大丈夫じゃないん?」と言ってくる。甚だ楽観的である。実技の試験も良くないと特待生での学費免除が受けられなくなってしまうというのに。エインは怒りが入った溜息をする。リアンは悪気なく言ってるのだと分かるのだが小腹が立ってしまう。すかさずリアンは「わりぃわりぃ」と軽く返す。(空気を読むのは得意なんだよなぁ)と思い今度は、呆れ混じりの溜息を出す。楽観的なリアンを現実に戻すかの様に「実技試験の準備は進んでいるのか?あと7日後だよ。筆記試験の成績が悪いんだから実技は頑張らないとね」と嫌味を込めて言うと「もうばっちりよ!」と活気のある子供の様に即答する姿を見て自分も少し気張っていこうと思ったエインであった。
7日後の朝、母がお爺ちゃんから借りた宇宙船を届けてくれた。毎日見ていたその宇宙船は、色んな板金を溶接し繋げた様な体裁がぼろく動くのかどうかも怪しいく頼り無い。不安ではあるが、この宇宙船しか無いので運転席に乗り込み電源のスイッチを入れる。ガガガガと老人がむせたかのようにエンジンが掛かる。そして、“地球”に向けて出発してくエインであった。