とあるVtuber 異世界に行く。スーパーチャットが送られてきて世界を救います!
「Vtuber? 知らんなぁ? それよりなんじゃその服装は……恥ずかしくないのか」
「え……えと……」
この異世界ではVtuberどころかスマホ、パソコンなどの通信機器等はない。
馬車が走り、中世のような服をきた人が街を行き交う。
私は1人異世界に転移した。
Vtuberの姿、声、服装、髪型は変わらずに……
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ちよっと前
某日
「本日の配信はここまで! 今日もスーパーチャットありがとうございした!!」
私は配信ボタンのOFFボタンを押した。
ご存知の通りnewジャンルVtuberは革新的だ。デジタル空間に仮想の自分を作り、多くの人にゲームやらなんやらを配信する。
しかし、最近のVtuber業界は飽和状態である。Twitterで#新人vtuberと検索すれば約30秒ごとに次々と更新される。
無数のVtuberが知名度を上げるために、ゲーム、朗読、料理などなど多くのジャンルを夜遅くまでかなり遅くまで活動している。
わたしは今日も配信を頑張った。
21時に仕事が終わり家に帰ったあと
23:00〜26:30までぶっ通しでゲームをライブ配信した。
ぶっちゃけ流行っているゲームだけど私は全然好きじゃない。
でも頑張って自分を偽り頑張った。
頑張った結果再生数101回、内2回は私のサブ端末からだ。
「こんなに頑張ったのに……100回行かないなんて」
そう。最近の新人Vtuberははやりに敏感だ。
少しでも再生回数を稼ごうと思い既存の有名ジャンルに手を出そうとする。しかし同じ事を思っている人たちは山のように、海のように、星のように存在する。だったら有名な人の動画だけ見ればいいんじゃないかと思ってしまう。結果的にはやりのジャンルじゃ稼げない。
しかし!!!
それじゃあオリジナルで……と推敲を重ね新しいものを配信しても再生数が0〜14位の動画が20続いたら流石に嫌な気持ちになる……。
ポチポチ……
私は生配信の動画を見直す。
再生回数102
コメント1
コメント「^_^」
「はぁ……明日も7時おきなのに何やってるの私は……」
疲れがどっと押し寄せてきた。
会社でもヘコヘコと私を偽り、配信でも私を偽り……本当の私はどこにいるんだろうか。
ピコン
そんな事を思いつつ、YouTubeのアナリティクスを見ていると一つの通知オンがなる。
ダイレクトメール?
登録者が502人を超えて初めてのことだった。
「あなたを異世界に招待します。こちらをタップ urmpapbt.com」
(え、なにこれ? いたずら……?)
こんなもの押すわけないじゃないですか……
でもこんな生活を続けるくらいなら……冗談でも……押すわけ……
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という事で現在に至ります。
はい。私は謎のDMのURLを不用意に押したので異世界に転移しちゃいました。
しかも現実の私じゃなくVtuberデザインの方で!!
「おい! お前! そこでなんで格好している?」
「はい?」
「捕らえろ。」
転移0秒……私は捕まりました。
※閲覧ありがとうございます。
次回もお楽しみに!