傷
目に見えないもの
複雑
気持ち悪い
単純に、
現われてくれたら
心地いい
だから、
悪い顔した優しい天使が
まよなか、
わたしの部屋に現われ
光のナイフで傷つける
目に見えないものは複雑で気持ち悪い
真夜中に天使が現われて、
わたしの頬を傷つける
見えない傷がちゃんと存在を認められるように
冷たい肌を突き破って、わたしの存在を示すように
天使の刃を狂うほど浴び
冬の大地に眠っていた新芽がようやく顔を出したとき
神秘を破った生命の温度が
地表に伝うこの輝き
目に見えないものは複雑で気持ちが悪いから、
わたしは毎晩ほんとうの姿を現してくれる天使に感謝して
眠れない夜を生きるの