私の狙いは、ずうっと決まっているから!!
お読み頂き有難うございます。
「あはっ、センセったら嫌がられてんじゃない。あれー?デアシラの方にかかっちゃったー?きゃっ」
この野郎!!やっぱり何か怪しげな手段を用いてるな!!くそっ、ホントやっぱりよ!!ホントに何なのか分からないけど!!ゲームでは人を操るなんてこと無かっただろうに!!いや、無いよね!?裏技でとかなら知らないから!!
……カーデンはピクリともしないし、黄金のガサガサいや、アルファーディ先生の弟さん(仮)も動かない。……マジどうやってんだ、アレ。
「待って、デアシラ!どうしちゃってんですか!?」
ああもう、先生もしつこいなあ!避けるな!早く倒れろっての!!て言うか避け方が意外とコミカルでウケるな!!
「待ってください!!確かに僕のミスで貴女を前回死なせてしまって!謝りま、ふ!!」
ブンブン振ってたら、やっと後ろにコケて……あら噛んでるな。
そんなにビックリしちゃって、ヒロインを喜ばせちゃって。……本当に、あのヒロイン女!!可愛さの欠片もない!!
「聞いてくださいデアシラ!前の僕は臆病者で、その前は絶望してました!!」
何なんだ急に人生を語り始めたわ。唐突なネタバレは、ズズ黒いヒロインに怪しまれないの?
ああ、でもアルファーディ先生も必死か!確かに教え子……いや、前世教え子?に鈍器で殴りかかられたら必死にもなるわね。……すまないとは思ってるのよ!!ホントにね!
「君は魔力が人よりも少ない!なのに、そんな事を歯牙にも掛けず!!」
いやフツーに気にしてましたけど?
幼馴染みとの格差が生まれて腹立てず逆恨みせず妬ましくない訳無いんですけど。薬草をゴリゴリすると精神的に落ち着くんだよなあ。薬草の調合の元に、人は平等だもの……。いやマジ私、ちょっと病んでるわね。
「真面目に薬草を作ってました!陰でパッとしないだの無駄な努力だの言われていても!!」
「アルファーディセンセったら、やっぱデアシラ嫌いなんだあ」
ヒロイン黙っとれ!!て言うか、お前マジ泣かす!!アルファーディ先生も覚えとけよ!!
「ですが!君の薬草は生活に則している!!村の生活の為なんですよね!?それに気付いた時、僕は本当に恥ずかしかった。派手な魔術を使う生徒ばかりに目を向けているあの学院も!」
いや私だって、華麗にド派手な魔術をひけらかしたかったっての。その褒め方何かおかしくない?本気?この人、ちょっと天然か?
「だから、デアシラ!!目を覚ましてください!!皆さんの役に立って喜んでいる、清らかな心に戻ってください!!」
え、ええー?……何か凄く幻想を抱かれているのは分かった。こ、こそばゆい。一発当てる野望は消えてないんだけどな。宿を豪華に……したら目立つからそこそこ潰れないように程度に稼ぎたいだけで……。
「チョローい!コレって漁夫の利ってヤツ?」
ハイ、油断大敵ってね!!狙い澄ましてーー?フルスイングだ!!
ガガコン!!と!スッキリ!
良い音するわー!
「……ギャンッ!!」
「魔導師は、打撃に弱い……!」
よし、カッコ良く刺又も回して、キメ科白!
そして、顔面と腹に打撃を喰らわせて……!!
倒れる、ヒロイン!!
あらら、大股でひっくり返った。顔可愛くてもあのポーズは駄目だね!
「え、えええ!?」
いやポカンとし過ぎだアルファーディ先生。
えへへ、ちょっと迫真過ぎたかな。結構ブンブン追い回したけど……怪我とかしてないよね?
デアシラの武器は刺又とスコップです。結構鈍器寄りで御座いますね。




