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あなたのルートで息の根を止めてたまるか  作者: 宇和マチカ


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10/17

お呼びでないから帰って頂戴!!

お読み頂き有難う御座います。本年もどうぞ良しなに。

 今世では見たことがないのに、見慣れた魔術学院の制服ローブ姿のアホが二匹。

 そして、バックには……。うっ、まだ午前中なのに西日のような照り方をした、金色の毛並み!!

 ……何でなの。村を出ただけで、黄金のガサガサと……出会ってしまうの。ああ、森がもっと広ければ!!


 いや、現実逃避してる場合じゃなくて落ち着くのよ、私ったら転生チートは無いけど知識を唸らせるの!!

 ……2メートルって、所かしら。……それ以外普通の、黄金のガサガサ……よね。前世で喰われたより何だかまだ小さい部類、みたいだけどそれでも其処らのオッサンよりデカいからね!!

 ……うう、見たくない。でも、でも!!


 その前にいるヒロインのバカを喰えばいいのに!!そいつを喰ってよ!!

 って、いやダメだ、あのバカ二人が喰われたら中途半端な魔力で更にパワーアップしてしまう。

 パワーアップした黄金のガサガサって、最早どうやって倒したらいいの……!?


「デアシラ、こんなところに居たんだ!もう、早く黄金のガサガサに喰われてよ。折角やり直せたんだから」

「……はあ?」


 え、何?何故此処に来たの、この女。

 しかも黄金のガサガサを何故横にして、喰われないの?満腹なの?なのに私を喰わせに来た!?

 何なの!?恨みこそすれ、恨まれる理由なんて……無いわよ!!


「ズズグロさん!!貴女の罪は明らかです!!お縄につきなさい!」


 え、無いわー。アルファーディ先生が投降を呼び掛けてるけど……無理でしょ。そんな殊勝な性格じゃあ……あ、縄持ってくりゃ良かった。前に酒場で冒険者が持ってた鉤爪着いた格好いい奴。


 ……無いものはしょうがないけど、カーデンまでどうしちゃったの?何か言えよ。

 ヒロインの後ろで、……虚ろな目でこっちをガン見してるだけ。

 黄金のガサガサも動かない。


 ……まさか。


「私の罪?いやもうそんなの知らない。私は、もう此処から抜ける為に、デアシラに犠牲になって貰わなきゃ」

「……勝手な事言わないでくれる!?」


 ヒロインの目が、血走ってる。

 狂信的と言うか、何?犠牲って何よ。お断りよ!!

 呼んでないし!ああ、もう!ひとつしか手段を講じてないのに!!


「もうカーデンってば何度やってもさ。デアシラデアシラって煩いんだよ。今回こそちゃんと……幸せになれないのやなんだ。何回も好きな人を殺すのって辛いんだよ?」


 私は唖然とするしかなかった。

 い、意味判らんわ。何だこいつ。

 えーと、後ろに何か顔色の悪いカーデンまで引き連れて、何がしたいの?

 殺すって?何回も?ちょっとどうかしてやしませんか?推しなら推しで大事にしろよ。私、好きな推しを無闇に傷付けるタイプとは分かり合えないから。


 そして、黄金のガサガサであるアルファーディ先生の弟さん(仮)……。不気味な程に動かないわ。

 置物を持ってきたとかなら、良いのに……。あ、頭動かした!!

 やだあ……生きてるしぃ……。


「ちょっと具合良くなっても、デアシラデアシラってベソベソさあ。家を燃やしても泣くし、最後には殴りかかってくるし。アンタみたいな使い捨て幼馴染み、どうして。私の方が辛いのに」

「成程、君のせいでしたか」


 喋りたくないからアルファーディ先生が突っ込んでくれて助かったけど。

 おかしいな。

 心とか頭のご病気を患ってるでもなく、シンプルに性格がおかしい?目が焦点合ってないし、なーんかズズ黒い。……あれ?

 ヒロインの目の色って、茶色とピンクのオッドアイじゃなかった?何か違くない?リアル闇堕ちって、カラコンでも入れるの?


「アルファーディセンセ!此処に居たんだあ」

「近寄らないでください」


 あ、茶番劇まで始まった。

 コレってアレだよね、邪悪なヒロイン酒池肉林を企むヤツぽい。多分、後ろのカーデンのやられた手口で、このドジキノコ踏みをヤバイ感じで洗脳か何かしちゃうヤツじゃない?

 このカビ臭に人工甘味料混ぜたような臭いは、かなり怪しいから!これは、この世界でマイナー路線な神経毒!私詳しいのよ。

 何故なら私が作った事有って、前購買に卸したから!!

 あのヒロインの奴……パクりやがったな!益々許さん!!


 怒りで禿げそうだけど、……落ち着くのよ。この状況から察するに。

 ヒロインのポポピー・ズズグロはカーデンと黄金のガサガサ以下略を操れる。

 そして、私を殺しに来た。


 間違いない!!何でか知らないけど、私の命が狙い!!

 くあああっ!!腹立つ!!だけど!


「ソラニ先生、上!」

「えっ?えええ!?」


 私は、常に背中に背負ってる刺又の留め金を外して、薙ぎ払った。


「デ、デアシラ!?」


 ヒロインの奴でも、黄金のガサガサでもなく!そう、先生の方向に。ブンッと、思いっきり振り抜いた!!

 アルファーディ先生は、目を見開いて信じらんないって顔をしてる。


 いやまあ、悪いとは思うんだけどね。

 たださあ、他の手段を思い付く前に来ちゃったから!!

お約束ですが、ヒロインは闇堕ちチート系みたいですね。

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