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モンスターマスター 〜最強のスライム使い〜  作者: 旧暗
第1章 チュートリアル的なお話
3/62

衣食住問題

 ランク戦に挑むべきだよな? と考えていた俺だったが、それより先に衣食住の問題を解決しなければ。


 時を同じくしてマスター(マスタースライムと呼んでいたら堅苦しいと言われた)も同様のことを考えていたようで、頭を捻らせていた。

 悩む俺達を尻目に、


「あのー、それなら私の家に泊まったらどうでしょうか?」


 アリサが突然声をかけてきた。

 なるほど、アリサの家に泊まるか。確かにこの世界の唯一の知り合いだしありだな……っていやいやいや! それはダメだろ! 


 まだ俺が何も言っていないにも関わらず、マスターが哀れみを含んだ目でこちらを見てくる。

 やめろ! そんな目で俺を見るんじゃない! 大丈夫だ! 


「いえいえ! 私を助けたくださったお二方にお礼をしたいんです! それに……ユウジさんなら変なことをしないって信じてますから!」


 アリサが純粋そのものといった顔で 、俺を見つめてくる。

 ここで断るのも失礼だよなぁ……

 ……気は進まないけど仕方ないか。


 ──こうして俺たちはアリサの家に住まわせていただくことになった。嬉しいけど素直に喜べない……


「お姉ちゃん、その人達もこれから一緒に住むの?」


 リビングに通されて、落ち着かない中座っていると後ろから声が聞こえてきた。

 声のする方に振り返ると、そこには黒髪の女の子が立っていた。


 ユリ! と言ってアリサが声をかける。どうやら彼女は妹さんのようだ。

 アリサが必死に説明しているが、俺のせいなのだから彼女が申し訳なさそうにする必要はない。


「俺の名前はユウジ。いきなり困惑させたよねごめん。君が嫌だというのであれば、俺は今すぐここを出て行くから遠慮しないで言ってくれ」


 とりあえず丁寧に彼女の妹にそう告げた。彼女達に嫌な思いをさせるわけにはいかないし、純粋に邪魔になるのであれば、野宿をしよう。

 そんなことを考えていると、


「別に気にしてません.それに、お姉ちゃんの命の恩人に出てけなんて言えませんよ」


 彼女はそう言って、自分の部屋に戻っていった。

 怒ってはいないと思うけど……本当に大丈夫なんだろうか? 


「ふふっ、ユリは少し人見知りですけど、良い子なんですよ? 全然大丈夫です」


 アリサがいきなり声をかけてくる。いきなりのことだったのもあるが、まるで心を読んだかのようにそう言うので、かなりびっくりしてしまった。


 それよりもこれからどうするんですか? とアリサが俺達に問いかける。

 特に決めてないけど、ランク戦のこととかは知りたいかなと答えると、


「ならまずはこの近辺にある国へ行きましょう! ランク戦はもちろん、様々な建物がありますよ。案内させてください!」


 まぁ俺達としてもありがたいことなので、ここはお言葉に甘えることにした。

 横でガイドさんになった気分でワクワクします! とアリサが少し興奮した様子で言っていたのを見て、面白い子だなと思ったのは内緒だ。


 ──国


「さぁ着きました!」


「へー、結構広いんだね。この世界には他にも国があるの?」


 想像していたよりもかなり広い。もしかしたら、この世界自体が俺の住む地球よりも広いのかもしれない。

 ただ単に気になったことを聞いただけのつもりだったが、アリサがとてもキラキラした眼でこちらを見てくる。


 よくぞ聞いてくれました! 

 コホンと咳払いをした後、アリサが話し始めた。

 そういえば、ガイドさんって言ってたな……


「この世界は大きく分けて4つの国で形成されています。今私たちがいるここが、その内の一つ、通称"スフィア"と呼ばれる国です」


 なるほど、東西南北みたいなもんか。1人納得した後、ちょうどエントリーできるみたいですけど、ランク戦の会場に行きますか? と問われる。

 答えはもちろん決まっている。俺だけじゃないと思うけど、 『男』 ってこういうのに参加したくなるもんだよな! 


 とはいえ、マスターの意思を無視するのもあれだなと思い、そちらを見るが──

 少し呆れた顔をしつつも、君に着いて行くよと言ってくれた。


「よし! 早速挑戦だ!」

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