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「ロイド様、本当にお嬢様のことはなんとも思ってらっしゃらないのですか?」


「まだ疑ってる?当然よ。お嬢様のことは仕事仲間としか思ってないよ」


「でも、あんなに美しいのに…」


「まあ見た目はね」


「聡明で造詣が深いです」


「そうね、奇抜ね。いまだに驚かされることばかりだよ」


「侯爵令嬢としてしっかり成長されました」


「打たれ強いかと思いきや、変なところで意地張るよね」


「……ロイド様」


「なあに、マリー」


「お嬢様の素晴らしさをお認めになります?」


「素晴らしさって…うーん、まあね?」


「……やっぱり」


「マリー?」


「お嬢様は素晴らしいです。やはりロイド様はお嬢様を……」


「うん。それエンドレスにやるなら強制的に黙らせてあげようか、マリー」


ロイドの目が不埒に輝いた。




「トマ」


「なに?リーサ」


「ううん、なんでも。ふふ」


「なんでもってことないでしょ、楽しそう」


「えー、だって呼び捨てってなんだかくすぐったくて」


「ああ、たしかに。ふふ」


「これでやっとレイラと同じ位置ね」


「…ん?」


「でもわたくしは姉の代わりなんて嫌よ。本当はもっと特別な関係がいいんだから」


「え」


「あーでもレイラを越えるって何をしたらいいの?わたくしデザインなんてできないわよ」


「リーサはそのままでいいです。レイラみたいにならないでください」


「まったく、トマ様を特別に想ってるのはわたくしだけなんていやになっちゃう」


「ごめんなさい。誤解です。オレもリーサを特別に想ってます。あと呼び方元に戻ってる」


「トマ様にとってレイラ以上になるのが、わたくしの目標よ!」


「ごめんなさいごめんなさい。もうなってます。婚約申し込みに伺いますのでお父様のご予定教えてください」


トマはがっくり項垂れた。




「マルセル様」


「イリス殿、ひ…、おじょ…。イ、イリス」


「はい、マルセル様」


「イリス」


「ええ、イリスはここにおります。マルセル様、レイラはルチアーノ様一筋なんです」


「ルチアーノもレイラ嬢しか見ていない」


「だからよそ見なんてしちゃ嫌ですわよ。マルセル様。たとえあなたがわたしの胸しか興味がなくても」


「えっ!!?いやっ、その…興味があるのは否定しないが、胸しかなんてそんなことは…!」


「いいんです。わたしを見てくれていれば、それがどこだって」


「いや、そうじゃなくて、自分は…」


「でもね、マルセル様」


「えっ」


「もうあなたはわたしのもの。わたしから目を離すなんて許さないわ」


「はいっ、イリス様!!」


マルセルは背筋をびしりと伸ばした。




「…………」


「…………」


「…………」


「…………」


「ねえ、エマ嬢」


「なんですか、王子様?」


「相手がいないのオレたちだけじゃん?付き合っちゃおうか」


「余り者同士とか絶対イヤ。わたくしそんなに安くないわよ」


「ぐっ!」


「それに王子様ムリ」


「ぐっ!?ぬぬ、オレは王族なんだぞ…!」


「そういうところが生理的にムリ。あと好みで言えば国王様の方が好き」


「え?…は、えぇっ!?」



そしてアドリアンは二度見するのだった――。

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