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愛がほしい怪物  作者: 七つ花
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こないだ竹刀を見たら、青いカビがびっしり生えてました

本当に、真っ暗になってしまった。


何も見えない鬱蒼とした森の中で一人、恐怖に声も出せなかった。

体を縮こまらせ、辺りをきょろきょろと見回したけれど、何も見えない。


やがて目尻にじんわり温かなものが滲んでくる。


あの紫色の猿のものらしき黄色い目だけが、暗闇の中ではっきりと見えた。

さっきは平気だったのに、それすら恐ろしくて、大声を出して泣き出してしまいそうになる。



(一人はやだ……また一人になるのは、いやだよ…)



フクロウのような声がする。それがどのくらいの大きさなのか分からない。

木だってあんなに高いんだ。他の動物だって並みの大きさの保証はないし、狙われているのは自分かもしれない。


知らない場所を、ウロウロしてしまったことを後悔した。私は膝の力が抜けて、その場にへたり込んでしまう。


月明かりでは、道を照らすほどの光にはならない。

方向を間違えれば、さらに遠くへ行ってしまうかもしれない。

これ以上は、動けない…


でもどうしよう…ここで一夜を明かすの?

いや……こんな暗いところにいたくない…



「助けて……お母さん…」


そう弱々しく言ってぎゅっと目をつぶったとき、閉じたまぶたの裏に確かな光を感じた。


オレンジ色の、やわらかで温かい光…









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