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「…あっ、イチゴだ。たくさんなってる…!
あっそうだ!」
確か部屋に籠があったはずだ。いっぱい摘んで食べよう。
部屋から籠を取ってくると、夢中でイチゴを摘んだ。とても甘い匂いがする。
籠にどっさり赤いつやつやしたイチゴを取ると、さらに遠くへ行ってみた。
「…これはブドウかな。わっ、酸っぱい…これは食べられないかな。
あっちにはいっぱいブルーベリーがある…すごい…!」
ワンピースの大きなポケットにも、たくさん木の実を詰め込んだ。
途中つまみ食いをして、イチゴをいっぱい頬張った。最後に食べたのは、いつだったかな?
きっと、数年前にバースデーケーキにのっていたのを食べたのが、最後だったかもしれない。
いろんなフルーツがあって楽しい。
でも、私はここまで来て、知らない場所をあまり遠くまで来ては危ないだろうと、引き返すことにした。
籠を抱えて、私は少し早足に、元来た道を戻った。




