Peace1-3
朝起きると、フィフィが浮かんで目の前にいた。
ゆら「な…まだ夢の中です…?2度寝しましょう…。」
フィフィ「学校は大丈夫ですフィ?」
ゆら「大丈…ばないです!今日始業式で学校です!⋯え?」
フィフィ「おはようございますフィ〜。」
ゆら「フィ…フィフィが喋ってますうううう!」
フィフィ「それ夢の中でも言ってましたフィ。」
ゆら「だってここ現実です!⋯いやまだ夢?そんなこと言ってる場合じゃないです学校!」
ゆらはすぐに身支度を済ませ、家を飛び出した。
フィフィが夢の中のように浮かびながらついてくる。
ゆら「さりげなくついてきてますけど、見つかったらどうするんですか!」
フィフィ「大丈夫ですフィ、ゆら以外には見えませんフィ。」
ゆら「それなら良かった…え、どういうことです?」
フィフィ「そのままの意味ですフィ。これでゆらは心置きなくフィフィを学校に連れて行けますフィ。」
ゆら「え!?何でぼくがフィフィを連れてくか、いつも躊躇してること知ってるのです!?」
フィフィ「それは、ずっと一緒にいたからですフィ。」
ゆら「フィフィ…!」
ゆらがフィフィを抱きしめようとすると、すーっとフィフィはゆらがつけている葉っぱ型の髪飾りに吸い込まれていった。
ゆら「ちょっとフィフィ!?何で髪飾りの中に!?」
フィフィ「2度寝ですフィ。」
ゆら「今感動的な話だったじゃないですか!」
そうフィフィが話した直後、大通りに出た。
昨日と同じで、突然背中から衝撃が伝わる。
みれい「おはようです!ゆら!誕生日おめでとうございます!」
ゆら「みれい!おはようございます!それにありがとうございます!」
みれい「はい、プレゼントです!あれ?今日はフィフィ一緒じゃないのですか?」
ゆら「プレゼントまでありがとうございます!それなんですけど!フィフィが髪飾りの中に!しかも朝から喋って!」
みれい「え!?もしかしてオーロラでの願い事叶ったのですか!?でも、ゆらがお願いしてたのって違う事でしたよね?」
(あれ、昨日の夢にみれいもいましたし、フィフィ達が喋っていたの知っていたはずです。そう言えば現実世界では夢のこと喋っちゃダメって言われてました!…けど、それとなく伝えるのは駄目でしょうか?)
ゆら「昨日、おかしな夢見ませんでした?フィフィはそれで見えなくなっちゃって⋯。」
みれい「おかしな夢?うーん…昨日何見たか覚えてないです⋯。見えなくなったってどういうことですか?」
ゆら(…は!みれいは言われた通り現実で夢の事話さないようにしてます!そうですよね。きっと深い理由があるから、現実で話しちゃダメって言われてるんですもんね…。)
みれい「ゆら?」
ゆら「あ、いえ!何でもないです!ごめんなさい変なこと言って!」
みれい「え〜なんですか笑 」
ふらん「みれい〜!ゆら〜!おはよ〜!」
みれい/ゆら「ふらんおはよです〜!/おはようございます!」
ふらん「ゆらお誕生日おめでとう!」
ふらんはゆらにプレゼントを渡す。
ゆら「ありがとうございます!」
みれい「始業式が日曜日で朝から学校なんて、本当にどうかしてますよね⋯。でも、帰りにゆらの誕生日会しましょうね!」
ふらん「うん!そのために学校頑張る!」
ゆら(やっぱり2人とも、昨日のこと話そうとしません。本当はメメ(仮)って人が現実で誰なのか、知っていたら聞こうと思ってたんですけど⋯。)
-廊下-
ゆら「でもあんなに分かりやすい見た目だから、メメ(仮)って人に現実であったら分かりますよね⋯。」
フィフィ「分かりませんフィ。」
フィフィが髪飾りの中から出てきた。
ゆら「びっくりしました!フィフィ、どういうことです?」
フィフィ「ゆらとあの人だけ夢の中ではお互い現実の姿では見えてないですフィ。」
ゆら「そんな⋯フィフィも分からないのですか?」
フィフィ「ゆら達が夢の中でも見えるようにならない限り、フィフィもゆらと同じで、あの人の現実の姿を知らないですフィ。」
ゆら「じゃあ、相手の精霊が誰と一緒にいるか分かるとか⋯。」
フィフィ「フィフィとメメも現実でお互いがどんな姿か分からないですフィ。それに今のところ、フィフィの姿が見えるのはゆらだけですフィ。」
ゆら「そうなんですか!?⋯ということはフィフィのようにメメも他の人には見えないってことですか?」
フィフィ「恐らくそうなりますフィが、詳しいことは分からないですフィ。」
(じゃあ、もしかしたら⋯)
かすむ「ゆら〜!」
ゆら「かすむ先輩!」
かすむ「お誕生日おめでとう!これ、ちょっとしたプレゼントなんだけど⋯。」
ゆら「ありがとうございます⋯!嬉しいです!」
かすむ「良かった!今年度もよろしくね〜!」
ゆら「はい⋯!」
フィフィ「ゆらの好きな先輩ですフィ。」
ゆら「へ!?何で知ってるのです!?」
フィフィ「ゆらからよく先輩の話を聞かされてましたフィ。」
ゆら「そう言えばそうでした⋯!でも、じゃあもしかしたら、先輩ってことはないでしょうか?」
フィフィ「フィ?」
ゆら「夢の中の人と声は違いますけど、先輩ってことないですかね?」
フィフィ「あの人の声はメメに似た声に聞こえますフィ。だから多分現実での声は違う気がしますフィ。」
ゆら「徹底的に分からないじゃないですか…。」
(かすむ先輩が名前の聞こえないあの人だったら、今度こそ特別な出会いはあるって思えるのに。)
-ゆらとかすむの出会い-
ゆら(どうしましょう…入学式が終わったのに、友達作れませんでした…。みれいも違う学部ですし、これから1人で大学生活を送るのでしょうか…。)
???「新入生?もしかして、具合悪い?」
俯いていたゆらの視界の端に、人影があった。
???「この後って、教科説明だよね?場所分かる?」
ゆら「あ、そうでした…えっと場所は…。」
???「良かったら案内するよ!」
ゆら「そ、そんな!申し訳ないです!」
かすむ「気を遣わないで!2年になったばかりだけど、こう見えても先輩だから!福祉学部心理学科の香原かすむです。よろしくね!」
ゆら「ふ、福祉学部児童学科の双葉ゆらです。よろしくお願いします。」
教科説明の教室まで廊下を歩きながら、かすむは緊張しているゆらに話しかける。
かすむ「さっき具合悪そうにしてたけど、大丈夫?」
ゆら「は、はい。入学式で誰とも話せなくて…この先、友達ができるか心配で…。」
かすむ「分かるなあ。かすむも入学式では緊張しちゃって誰とも話せなかったよ!」
ゆら「そ、そうなんですか…?明るく見えます。」
かすむ「今はね…。専門校の時、ちょっと人との距離感が分からなくて、相手に迷惑かけることもあったから、大学ではちゃんと友達作ろうって張りきってたんだ。だから余計緊張しちゃって。」
ゆら(こんなに明るい先輩でも、人との距離感が分からないことってあるんですね…。とても優しくて朗らかな印象なので、てっきり友達が沢山いるのかと思ってました。)
かすむ「入学式でもどんどんグループできちゃって焦って…でも、まだ1人で行動してた人もいたの。見た目じゃ分からないけど、『大半の人は皆友達がほしいって思ってる!』って自分に言い聞かせて、話に行った。」
ゆら「す、凄いです!それから…その人とは…?」
かすむ「今も友達だよ!『話しかけてくれて嬉しかった』って言ってもらえた!」
そうかすむが口にすると、教科説明の教室に着いたところだった。
ゆら「案内ありがとうございます。沢山話してくださって、少し緊張が解れました。」
かすむ「良かった!」
ゆらの手が震えながら、扉に触れる。
かすむ「大丈夫だよ!友達と大学生活を送りたいって、心のどこかで思ってる人は、沢山いるから!」
その言葉には温かさが宿っていて、ゆらの目には陽の光で照らされるかすむが映っていた。
ゆら「…はい!ありがとうございます!」
その後も、学科は違えど、ゆらとかすむは時々学校で会うことがあり、ご飯を食べに行く仲までになっていた。気づけばゆらはかすむを目で追っていて、かすむのことが好きなのだと自覚する。
小説をあまり読まない為、脚本調になっています。




