影魔法
導入終わりです
ギルドを後にし目的もなく歩いていた。頭の中にはこれからの不安や見知らぬ世界への恐怖でいっぱいだった。才能があると言われ、舞い上がっていた気分が嘘のように落ち込んでいる。その傍らこんな話をしているのを聞いた。「あそこの家の奥さん、旦那さんが魔物に食べられたってほんと?」「ええほんとらしいわよ。ギルドお抱えの傭兵が魔物を倒したって話だけど物騒よね」「今時冒険者なんて危険な仕事誰もしたがらないわよ。外は魔物だらけで危険だし夜になれば動きも活発になるから遅くまで帰れない冒険者なんていい魔物の餌じゃない」「だけど最近は街中まで魔物が入ってきた事例もあるらしいわよ」「物騒ね」(魔物?それに夜になると活発になるし、街中まで入ってくる?今日の寝床も確保してないのに)不安がどんどん膨らんでいくそんな時一つのことを思い出した。(影魔法を使えば影に隠れられるのでは)早速魔法の練習を始めた。が何度やっても魔法が出ない(やっぱり魔法なんて使えないじゃん)再び絶望の淵に立たされた。そうしてるうちに日が沈み、あたりはすっかり暗くなっていた。(まずい魔物が来る...)そう怯えていると奥の方に人影のようなものが見えた(よかったまだ人がいる...)そう一息ついているとその影がこちらに向かってきているように見えた。(なんだあれ人影にしては大きいような...)どんどんこちらに近づいてくるそして姿がはっきりと見えた。口元には血がつき大きな木づちを持った醜悪な化け物がそこにはいた(魔物...!)咄嗟に逃げ出すが躓いてしまう追いつかれ、絶体絶命の危機どこか諦めていた。(あぁ死ぬのか、二度もこんなにあっさり)そう思いながら身を屈め頭を手で覆った。(せめて楽に...)次の瞬間目を開けると水の中にいた。だが目が違和感なく開けれる呼吸もできる。上には先ほどの魔物が辺りを見回しているのが見えた。(これが影魔法...)そう思いながら疲れた体は気絶するように眠りについていた。後日起きて外に出るとギルドお抱えの傭兵が魔物を退治していた。(このままではいつか死ぬ)俺は決心した(俺は影魔法で強くなる)そう思いながら歩みを進めた