【プロットタイプ】柔い拘束
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
上手い回答が出来ない人間なので、感想欄閉じてます。
これは読者様の問題ではなく、私の問題。
詳しく知りたい方は代表作の『作品と作者の注意点』に書いてあります。
注意事項2
別に君じゃなくても良かった。
たまたま、君だった。
それで最後まで行った。
そんなもんじゃないですかね。
少年漫画に出てくる恋愛漫画なるものを読んだことが無い。というか、存在する事さえ、つい最近まで知らなかった。だから恋愛漫画と言われれば、私の中では少女漫画である。
その少女漫画の醍醐味と言えば、どれだけコメディチックに描かれていても、心理に潜り込む様な描写が何処かしらに転がっている事だろう。
最近の退屈を紛らわす為、ネットにある少女漫画の立ち読みをしている。最初はベタな展開。たまたま偶然出会った男の人と運命的な出会いを果たし、後々良い感じになっていくという話。
女の子は勿論可愛い。けれども運命の相手に出会うまで、なんと言うか、寂しさを埋める為に手当り次第付き合っている様に感じる。所謂、恋愛体質という奴で。其れは相手に見抜かれた様で、初っ端から振られていた。
――誰でも良い癖に。
その言葉に、思わず胸が締め付けられる気持ちになる。私の中ではあまり好きな言葉では無かったから。
何となく座っているのも億劫になって、床に寝そべると、案の定、同居人が近寄って来た。其れから器用に足先で私の体を転がすと、何時もの様に腰と臀の間に腰掛ける。
「重いよー。瑠衣たん」
勿論、無視である。代わりに何時もの様にわさわさと髪を掻き乱される。『ハイハイ。聞いてる。聞いてる』という返事である。
誰でも良い。誰でも良い……。瑠衣と私は利害関係の一致から結婚して、今に至る。ぶっちゃけ其れさえ満たしてくれれば、誰でも良かったのだろう。でも其れで瑠衣の事を責められ無かった。私にも、いいや誰にでも言える事だから。
「瑠衣たんはさー、自分に人生全賭けしてくれる人だったら、私じゃなくても良かった?」
「何だ。藪から棒に」
そう言いながら、手櫛で私の髪を梳かし始める。けれどもまたぐしゃぐしゃと掻き乱す。
「答えて欲しいかなー。今は」
「まぁそうだな。お前じゃなくても良かったのかも知れない。ただ偶お前だっただけで」
そうだよね。私もウザ絡みにそこそこ構ってくれる人だったら、誰でも良かった。ずっとベッタリと構われるときっと飽きてしまうから、これぐらいが丁度良い。
不毛な質問をしたな。瑠衣にとってはあまり好ましくない質問。
「悪いね……。変な質問して」
「でもまぁそんなもんだろ。人と人が繋がって連むのなんて。運命なんて拘束力の強そうな言葉じゃないが、もっと脆くて、切れそうなものだが」
どうやら『今の俺の返答はあんまり気にするな』という事らしい。其れは瑠衣なりの優しさだった。
オマケ 百点満点
「瑠衣たーん。ハグー。その死んだ目止めてー」
「うざっ」
「うざくなーい。歩かなーい。ハグー」
「重っ」
「女子に其れは失礼ー」
「たくっ」
そう言いながら、私の腰に手を当てて立ち上がらせると、腕を回して私の肩に顎を乗せた。
「満足っ」
「そうか」
ほらー、運命の出会いとかあるじゃないですか。
そこまで激しい拘束力のある相手ってなんなんだろ。
とか、思ってるんですよ。
人間の好みってさ色々あるけど、それにハマって入れば誰でも良いってことじゃん?
だから、運命の相手って何? って私と鏡花の疑問。
それに対して瑠衣の言葉。
運命なんて拘束力の強い相手なんて、本当は居ないのかも知れない。つまり誰でも良い。
でも人と人の繋がりなんて、脆くても長く続く。
そんなもの。
最後のおまけの様にくっついていれば良いんじゃない?
という回答。
瑠衣も楽しそうだしね。この生活。