若者の「○○離れ」は「オジサン思考」のせい!?
筆者:
本日は当エッセイをご覧いただきありがとうございます。
今回は「若者の○○離れ」(○○の中には色々な言葉が入る)について個人的な考察をしていこうと思います。
質問者:
テレビ離れ、酒離れ、車離れ、恋愛離れ、野球離れ――
こんな風に挙げ始めれば枚挙にいとまが無いですよね……。
趣味の分野も多くあると思うのですが、今の若者の方々は一体何をされているのでしょうか……?
筆者:
多分挙げていけば「○○離れ」って100個以上あると思いますね(笑)。
このようなことが起きている背景として、
まず単純なお話として「少子化による分母の減少」を挙げたいと思います。
2000年時点では18歳以下の若者の数は1800万人超だったのが今は1500万人を切る段階まで来ている。全体数が2割減っている状況で「離れ」と言われる現象が起きているのはある意味当然とも言えるんですね。
やはり社会人ともなれば、僕のように自営業でも無ければ自由に時間を確保することは困難になりますからね。
そうなると「子供の減少=趣味コンテンツの衰退」に直接的に繋がるのです。
質問者:
ただ、「読書離れ」や「活字離れ」についてですけど「人口減を上回る速度で進んでいる」ということなのですが……。
特に書店の数は2004年比で半分、ライトノベルは2016年比で半分になるそうです……。
筆者:
僕が好きな野球も「競技人口が人口減を下回る」などと言われていますね。
これはSNSや動画配信サイトなどによって趣味が多彩化していることもあると思います。
民間の㈱アスマークによる「趣味に関するアンケート」では回数を重ねるごとに「スポーツ1強」が崩れていき、趣味が多様化していることがうかがい知れます。
これらのコンテンツについては比較的安価又は無料で参加することが出来ますので、
非常に魅力的に映るのでしょう。
(広告料などでコンテンツ提供側が稼いでいるため)
スポーツにおいても多種多様なスポーツが力を入れていますから、「子供争奪戦」になっているのだと思います。
質問者:
「趣味の多彩化」でも説明が付かないところですと「車離れ」などについてはどうなんでしょうか?
生活必需品なのに離れているというのはどうなっているんでしょうか……。
筆者:
これについても東京都などの大都市圏以外においてはそこまで離れているわけでは無いといったデータも存在しますからね。
ただ、若者の田舎から大都市への流出と言うのはとどまるところを知りませんからね。
相対的に車所有率や運転免許取得率の低下に繋がっているのでしょうね。
◇趣味の原資であるお金が「若者から離れている」
質問者:
どうして大都市に流出してしまうのでしょうか……。
筆者:
結局のところ仕事が無いからだと思いますよ。人口が少ないだけでコンテンツが集まってきませんからね。
更に仮に仕事があったとしても「小学校から同じようなメンツでずっと行くのか……」「親と同じ仕事をするのか……」などと思うと、閉塞感や良い未来が描けなかったりするのだと思います。
特に田舎だと従来から存在している企業は年功序列で固まっているでしょうしね。
そんな「暗い未来」しか見えない状況よりも、未知の大都市で「切り拓いてやろう」と思われる若い方が多いのだと思います。
ただ、都市は都市で物価や地価が高いので生活そのものは楽にはなっていないと思います。
「都市に出てもドリームを掴んでいる人は少ない」
と言うのが僕の分析としてはあります。
質問者:
先行きが不透明で不安感があるというのも問題ですけど、「見通しが立っていて暗い」と言うのも残念過ぎますね……。
そうなると皆さんお金に困っているから「お金のかかる趣味が出来ない」と言うのが現実なんですね……。
筆者:
最早お金のかかるコンテンツは「コストパフォーマンス(費用対効果)が悪い」と判断されているという事なのだと思います。
そもそも、「○○離れ」と言うのは経済的な政府の失敗を如実に示しているのだと思います。
お金があるならやりたいと思っていることだっていくらでもあるはず、余裕があるのであればお金を払うコンテンツも支持されていく可能性はあると思います。
若者が離れたのが先ではなく「お金の若者離れ」が「○○離れ」を生んで行き「コスパ」に行きついているのだと思います。
ただ、アメリカではクレジットカードで借りてまで消費する方が多いのに対して、
日本人は身の丈に合った消費や趣味を愉しむことができているために「堅実」であるとも受け取ることが出来るんですね。
◇「おじさん思考」の人が「○○離れ」を批判している
質問者:
結局のところ政府の経済政策の問題に行きつくんですね……。
でも、筆者さんの分析が確かだとするのなら日本人の気質が起因となった「○○離れ」というのは必ずしも悪い現象でもないような気もしてきました。
筆者:
そもそも「若者の○○離れ」と言われてきたのは今に始まったことでは実は無いのです。
70年代後半には、「活字離れ」「文字離れ」を取り上げた新聞記事が続々と登場していました。
質問者:
あ、そうなんですね……。
そう言えばその時代の方々は「新人類」とか言われていたそうですね……。
筆者:
70年代は70年代で当時の「おじさん世代」が新しい感覚についていけずに若い世代を嘆いたり、「異様に見ている」ことから「新人類」と呼ばれていたのだと思います。
「近頃の若い者は」と上の世代から嘆かれたことは常にありましたが、その延長線上にある考え方が「若者の○○離れ」といった考えなのだと思います。
逆に社会人になった以降の方が「おじさん思考」にならないためには新しい感覚そのものにならずとも「理解して咀嚼する」ことが大事なのだと思いますね。
質問者:
確かに自分より若い世代と言うのは次々と出てくるわけですから、批判していないで感覚をむしろ“教えてもらう”ぐらいのことが大事なのかもしれませんね……。
筆者:
特に政治の失敗が起因となって資金不足になっているわけですから、若者の責任はありませんからね。
若者からすれば「眼中にない」と言うのが現実で、最初からついていないものには「離ている感覚はない」というのが実情だと思いますよ。
上の世代の方々はそう言ったことを理解していただきたいと思います。
◇「コスパが良い」と思われることが大事
質問者:
本当は経済回復して若者にお金が行きわたる――そう言った世界が良いと思うのですけど、現実的には政府は「ケチ」と言う事もあって難しいと思うんです。
これからのコンテンツはどうしていったら良いんでしょうか?
筆者:
前の世代は「所有する」ことに意義を感じていたのに対して、
今の若者世代の多くは所有欲は無くなり「シェア」することに意義を感じています。
何せ田舎から出てきた先の東京の家賃は高く、所有できるだけの「置き場所すらない」ような状況だからです。
今の若者世代の考え方として「体験消費」「コト消費」「トキ消費」をしていると言われています。
参加したり、成果を分かち合ったり貢献したりすることに意義を感じているという事です。
質問者:
確かにそんな感じはしますね……。
筆者:
例えばプレイヤーとしての野球人口が減っても球場に足を運ぶ人の数はむしろ増えているのが実情としてはあります。
野球場としての「体験消費」としてのコンテンツは維持できているという事なのでしょう。
今後もプレイヤー側としての“質“が担保できているのであれば野球コンテンツとしての問題は薄いように思います。
例えば大谷選手のような選手が次々と出てくれば、コンテンツとして縮小していく可能性は低いように思います。
質問者:
なるほど、そう言った要素はありますよね。
筆者:
スマートフォンなども新しいモデルのモノが売れたりしますから販売価格の値段の問題では実をいうとありません。
要はお金を払う多寡ではなく「同じようなコンテンツと比べてコスパが良いか」が大事なのだと思います。
この「小説投稿サイト」の「投稿者同士」で言うのであれば、お互いが無料同士だと思いますので、「コスト=読む時間」に見合うだけのコンテンツを提供できているのか? が大事になってくると思います。
僕はそれだけの価値を提供できているかどうか甚だ(はなはだ)怪しい状況だと思うのですが、これからも頑張っていこうと思いますので、よろしければどうぞご覧ください。