2 将軍義昭
新キャラ紹介
足利義昭 逃亡中の将軍候補 部下 明智十兵衛・細川藤孝・和田惟政
朝倉義景 越前の大名 文化人
織田市 信長の妹 戦国随一の美女 出番ここだけ
足利義昭の手綱は外された。
権力争いの英才教育を受けてきた青年がいきなり将軍の座をねらえる立場になっちゃった。
「兄の血を引くのは今や我一人。将軍の座は我の物じゃ」
野心渦巻くのは、火を見るより明らかだった。
しかし兵力がなければ京都に戻っても殺されてしまう。
「誰ぞ力を貸して欲しい。栄誉は十分に与えようぞ」
足利義昭は近隣の大名へ、かたっぱしから手紙を送った。
近江の六角・甲斐の武田・越前の朝倉・越後の上杉・美濃の斎藤・尾張の織田。
何と九州の島津にも送っていたらしい。
越前の朝倉は義昭を迎え入れてくれたが、都へは向かわない。
強大な力を持つ戦国大名と言えど、天下にのり出そうとする有力者はいなかった。
領国を離れることはリスクがありすぎるし、都を掌握するメリットを感じ取れないからだ。
しかし、信長は違った。
「ワシが乱世を終わらせてみせる」
「足利義昭様より書状を使わされ申した」
義昭に使える和田惟政が岐阜を訪れたのは、まだ信長が斎藤家と争っている最中。
その時点でさえ乗り気だったのだ。
美濃を制した信長はすぐさま越前に使者を送る。
義昭様にはぜひ美濃においでいただきたいと。
「これこそ天下への近道よ」
越前と美濃の国境は山が続く。山を越えるより琵琶湖沿いの北国街道を通った方が近道だ。
それには浅井領を通らなければならない。
京に向かうことを見据えても、織田家としては近江の浅井氏とは友好でいたい。
信長はかわいがっていた妹の市を嫁に出すことにした。
浅井との同盟は成り立ち、越前への使者も問題なく行って帰る。
話はとんとん拍子でまとまった。
越前では跡取り息子が夭折したショックからか、朝倉義景が中央への野心を完全に失う。
将軍の移動には朝倉家臣も反対しなかったらしい。歓待にかかる費用が増える一方だったからだろうか。
足利義昭は朝倉に見切りをつけ、織田に乗り換えた。
わずかな側近を伴い、義昭は越前から浅井家の小谷城に移る。
そこからは信長が用意した使者に案内させて、美濃の立正寺に入ってもらった。
「お初にお目にかかります、織田尾張守にございます」
「うむくるしゅうない」
信長の眼前に座る男からは、征夷大将軍の威光や品は感じられなかった。
(野心はあるようだが‥ 凡庸にしか見えん。まあ今まで流浪の身だったからしょうがないのか?)
どちらかと言うと、義昭を支えている側近の方が目に留まる。
いかにも切れ者な明智十兵衛に、飄々としてつかみどころが分からない細川藤孝。
(苦労した分、駒はきたえられているな)
かつぐ神輿は手に入った。
将軍から要請されても九州からの軍は来ないでしょうに。いくら島津が鎌倉時代から続く名家でも。
細川藤孝の呼び方は本当なら与一郎の方がいいのでしょうが迷っています。
十兵衛が光秀なのは説明いらないでしょうね。




