稲葉山城、陥落
ちょびっと加筆しました。
信長軍は美濃と北伊勢、二ヶ国を同時に攻略することになってしまった。
(先鋒は誰に任せるか。滝川が伊勢出身だったか)
滝川一益は昔からの家臣ではないが、器用な男で何を命じてもそつなくこなす。
そして制圧を命じられた長嶋や桑名は長良川の河口である。
真っ平らなのだ!
美濃に比べたらすっごく攻めやすい!
滝川は期待以上の成果を上げた、長嶋・桑名を武力と知力で制圧する。
信長が二万の軍勢を率いて伊勢に進むと、一帯の勢力が次々に降伏した。
それでも立ち向かう敵の城には火を放つ。
敵は右往左往した。
「城を攻めるには火攻めが一番じゃ!」
快進撃に信長はカラカラ笑う。
「やはり勝負がすぐに決まるのはゆかいじゃ」
その最中に吉報がもたらされた。
「殿、稲葉山の三家老がこちらに下りました!」
「まことか、良し! 皆の者すぐに戻るぞ」
落とした城を滝川に任せ信長は軍を北に向ける。
「誰が下った」
「は、安藤伊賀守に稲葉伊代守と氏家卜全殿で、今は人質を受け取りに向かっている最中です」
(これで斎藤家にのこる老臣は長井隼人守だけじゃ)
信長はすぐに攻勢をかけると決断した。
稲葉山は規模が大きい。
信長は稲葉山の西南に位置する瑞龍寺を攻めた。
一気に駆け上らせたから、敵の準備が整う前に寺町への放火も済む。
風の強い日だったので、火攻めは良く効いた。
信長は山の別峰を見上げる。やはり敵は援軍を出せないようだ。
「殿、美濃の家老集が参りました」
翌日に瑞龍寺を鹿垣で囲んでいると、調略に応じた家老たちが人質と共にやって来た。
「安藤伊賀守にござる、上総介(信長)様にご挨拶を申し上げます」
「うむ、よろしく頼む」
「しかしもう瑞龍寺を落としなさるとは、お早い」
「そなたらが協力してくれれば、龍興もこちらまでは手を回せまいからな」
美濃三家老は息を飲んだ。
家老が三人も裏切り、出城の瑞龍寺まで奪われれば、龍興の勝ち目はなくなる。
龍興は長良川を下って逃げた。
永禄十年八月十五日、稲葉山城は信長の手に落ちる。
伊勢攻めの部分は水上千年様の「『勢州軍記』読もうぜ!」を参考にしております。
二章のクライマックスにしては切れが悪いのですが、信長はじっくり腰をすえてくれないので。
まぁだから短期間で畿内を制したのでしょうし、文句も言えませんね(-_-;)
ただ伊勢攻めと稲葉山城攻めの日程があまりに近いので、どちらかが日付を間違っていると思います。
次回、美濃攻略編最終回です!




