表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
そして覇者になる ~織田信長の物語~  作者: ノーネアユミ
第二章 美濃攻略編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

47/61

丹羽五郎左衛門長秀


「城が完成する間に調略を進めたい。美濃方面は揖斐(いび)の市橋に連絡を取れ」


 城攻めにおいて絶対に阻止すべきはの援軍である。

 以前から連絡を取り合っていた美濃の国人に指令を出す。

 もちろん城内から(くず)しておければさらに良し。

小口(おくち)砦の調略は‥」

「それがしにおまかせくだされ」

「お前は‥ ああ五郎左(ごろうざ)か。分かった、まかせるぞ」


 五郎左は大人しく目立たない男だった。

(調略にはちょうど良いかもしれんな)


「炭はいらぬかぁ、炭ぃ」

「炭売りか、こっちに来い」

 五郎左は行商人をよそおい、まずは下働きの小者から手なずける。


「お買い上げ助かります。暖かくなったので売れ残っていたんですよ。安くしておきますね」

「ほほう、こちらも助かる」

「お城なら買ってくれるかと思い正解でした。小牧(こまき)山の城でも売れるでしょうかねぇ」


 五郎左は世間話のフリをして相手の反応をうかがう。


「小牧山の城? ただの出城だろう」

「そうですか? 大きな城と聞きましたよ。織田家中がそろって引っ越すらしいとも」

「へぇ~ それは知らなかった。」

「戦になったら大変ですな、お侍様にお知らせしては」

 

 ふむ、とうなずく小者に五郎左はニッコリする。


 数日後に五郎左が小口砦を訪れると、今度は(さむらい)に引き合わされた。

(しこみが上手くいったようじゃ)


「そなたが先日申した小牧山の城の話、誠であろうな」

「へえ、この距離なら小口を落とすのも時間の問題かと」

「なぜそれがそなたに分かる」

「それがし丹羽(にわ)五郎左と申す。信長公の家来にて」


 あっけに取られる敵にぺこりと頭を下げて、五郎左はさっさと逃げ帰った。


 一度顔を見せたから次は手紙を小者にたくす。

「丹羽五郎左からと伝えれば分かるぞ」

 

 五郎左の声は段々と小口砦の上層部に届いた


「小牧の城が完成したら必ず小口を攻めますな」

「お味方が間に合えば良いが‥ もし間に合わなければどうなることか」

「亡くなられた側近の恨み、忘れてはいないようです‥ 我が殿は苛烈(かれつ)ゆえ‥」


 立て続けに届くやんわりとした(おど)文句(もんく)に、小口砦の者たちは(ふる)え上がる。


「あの、城は引き渡しますので、どうか我々を逃がしてはいただけぬか」

 一兵も失わずに五郎左は城を手に入れた。



 猛将の柴田勝家、後の天下人豊臣秀吉、本能寺の変を起こす明智光秀、今孔明(こうめい)だよ竹中半兵衛、忍者の疑い? 滝川一益などキャラの立ちまくる織田家中で、活躍の割にひときわ地味な重臣、


 それが丹羽五郎左衛門長秀(ながひで)であった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ