引っ越ししたい
題名間違えました。(-_-;)
帰り道まで長く感じる。
(敵に後れを取ったのは、清州城がはなれすぎているからじゃ。もっと城が近くにあれば完成前に砦をたたけたのに。うむ、そうじゃ)
と、言うわけで、城を引っ越すことにした。
「場所は犬山城と小口砦の近くにしたいし、新しく造るなら山城にしたい‥場所は二宮山じゃ」
殿の思いつきに家来たちは大混乱。
「あんな険しい所に?」
「確か神社くらいはあったはずだが‥」
「この清州であれば領国の中心にいられますが、二宮山ではへき地すぎまする」
ただの不平なら無視する気マンマンだった信長だが、草履取りをしていた小男がポロっとこぼした言葉は聞き逃せなかった。
「城を移動すれば、三河の備えがうすくなりますなぁ」
東の三河には今川家から独立したばかりで信長さえ攻めあぐねている松平元康がいた。
たとえ信長でも考えざるをえない。
(確かに北に目を向けている間に松平が攻めてこないとは言えない)
ちょっとだけ考えこんだ信長は部下に命じた。
「水野信元に使いを出せ」
貧相な草履取りは目をギョロッとさせて笑う。
「な~るほど、味方にしてしまうのですな」
水野信元は小規模な国人で今は織田家に仕えている。
この男は松平元康の実母と兄弟であり、元康と連絡を取るのであれば最適な人物だった。
「伯父上から和睦と勧誘の手紙が来た」
松平元康は評定で部下と話し合う。
「今川と手を切るのであれば悪い話ではないかと」
「しかし未だ若君と御正室様は今川にとらわれたままじゃ、早急に答えは出せん」
松平家は今川家から独立をしたとは言え、未だ元康の息子と妻が今川家に人質として囚われている。
話し合いの結果はすぐには出なかったが、良い感触は水野を通して信長に伝わった。
信長は同盟が締結されるまでの間、軍を立て直すことに力を入れる。
桶狭間で身にしみたが、いざと言う時兵が少ないのは話にならない。
尾張に行けば足軽として雇ってもらえる噂は隣国にまでひろがる。
腕に覚えがある牢人がぞくぞくと集まった。
松平との同盟の交渉と二宮山への引っ越しの準備と新兵の訓練で忙しくしている間に年が明けた。
時に永禄六年。
貧相な小男君、再登場です。




