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そして覇者になる ~織田信長の物語~  作者: ノーネアユミ
第一章 桶狭間編

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31/61

30 悪報

さあ物語も佳境ですよ

 東から大軍が向かってくるとの情報に織田家は大さわぎ。


「軍勢の数が二万じゃと」


 これまでの敵はせいぜい数千だった。


「今川め本気じゃな。以前とは全然違いますぞ」

「何を弱気な、小豆坂(あずきざか)の借りを返してくれる」

「二万など大げさではないのか。駿河(するが)遠江(とおとうみ)を合わせても一万がやっとのはず」


 うろたえる家臣団。

 

 信長も兵力差にはビビった。


(ヤバい?)


 もちろん表には出さないようにしながら次々と命令を出す。


鷲津(わしづ)丸根(まるね)(とりで)に兵を入れろ、義元(よしもと)が来る前に大高(おおたか)城の兵糧(ひょうろう)()つのじゃ。鳴海(なるみ)城は丹下屋敷(たんげやしき)善照寺(ぜんしょうじ)(かこ)む」



 信長は感覚が(するど)くなるのを意識した。

 この感じは(きら)いじゃない。


 今川軍の拠点(きょてん)に対策をしつつ情報も集める。


斥候(せっこう)(はな)ち続けろ。敵の進む方向、兵の数に、大将の位置、ええい、分かること全て報告せい」


 やることが決まれば家臣たちも動き出す。



 しかし集まった情報は予想を軽く超えて来た。


(もう)し上げます、敵の数およそ二万五千!」

「二万五千? バカを言うな、増えておるではないか」


「今川軍、沓掛(くつかけ)に到着しそうです」

「えっ、もう?」


「あの‥それがし雑兵(ぞうひょう)の会話を聞いて来たのですが軍勢は全部で‥四万だと」

「は? 四万?」


 織田家中は一気に青ざめた。


「さすがに四万は言いすぎでしょう」

「そ、そうじゃ。大きく言いすぎじゃ。ほとんど小者(こもの)でありましょう」


 信長はだまりこんだ。

 

 織田家の戦力は、小物までかき集めて五千。


 後詰(ごずめ)を残すことを考えると、約十倍の敵と対決しなければならない。


「どどどどうするのでござる」

「どうするも何も籠城(ろうじょう)しかありませぬ」

「籠城? 援軍もないのに? ありえん」

「では打って出るのか、焼け石に水ですぞ」

「つまり降伏(こうふく)‥ゴホン。いや何でもござらん」


 ろくな対策が立てられないまま時間はすぎる。


「この季節はジメジメしておるな。雨はいつも通りなのか」


 信長の一言で場が静まる。


「え~と殿?」


「道も泥だらけじゃな。ほら、この間すべって田に落ちた奴がいただろう、腰まで水につかっておったわ」


「はあ‥?」

 家臣たちは何を言っているのか分からない。


「明日は雨になりそうじゃが、大雨になると思う者はいるか?」


「あの、家内(かない)が頭が痛いとぼやいておりまして、そのような場合は大雨が良く降ります」


 答える家臣に信長はうなずく。


 策も決まらぬのに、だんだんと日は暮れる。


今川の軍勢が二万だったのが四万に。 増えてる!ガビーン!



この夜信長が話した世間話は

適当に作りました。


木曽川の決壊とか考えている風です。

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