29 今川義元
うわあああ氏真を氏政って書いてた! すみません。不覚。不用心。
一年以上気がつかなかった‥ できることならせめないで(-_-;)
やっと岩倉城が落ちる。
動かせる兵に余裕が出た。
今重要な敵勢力は二つ。
一つは美濃斎藤家だ。
ただ彼らは信長の上洛時に刺客を送りこんだ。
それは彼らの余裕のなさを意味する。
尾張に進軍できない理由があることに。
(当主が動けない何かがあるな)
もう一つは駿河の今川家。
義元が引退したとは言え、伊勢湾の制海権がじわじわ奪われているのは見すごせない。
どちらを攻めるか信長は決断する。
「鳴海城を取り戻すぞ! 敵は今川じゃ」
父信秀が亡くなった直後に奪われた鳴海城だ。やっと取り返しに行ける。
もちろん城攻めは時間がかかる。
あんな面倒くさい戦いにはしたくない。
「鷲津と丸根に砦を築け。大高城と分断する」
兵を戦わせる前にできるだけ孤立させたい。
うまく兵糧攻めが成功すれば、鳴海城以外にも大高城や笠寺も取り返せる。
他にも砦に使えそうな場所を探させた。
しかし敵の動きを探っているのは今川家も同じ。
信長の動きはたちまち伝わる。
「大殿、織田が大高と鳴海の間に砦を築いておると知らせがまいりました」
駿府の城で大殿と呼ばれているのは今川義元。
駿河・遠江・三河の三国を支配し、領国経営も成功。武田や北条とも同盟を組み、朝廷から正式に三河守を認められた戦国大名。
『海道一の弓取り』(東海地方で最強の意味)と自称するのも納得の実力者なのだ。
「ほほう、信秀のせがれはうつけではなかったよう
じゃ」
義元は側近に苦笑いする。
「織田の家中はもっと兄弟でもめて欲しかった‥意外に早く収まったし、隠居は早すぎだったか」
義元としてはこのまま尾張が力をつけるのをだまって見ているつもりなどない。
北の武田・東の北条とは三国同盟を結んでいる。
だから今川が攻めて行けるのは西の尾張だけとも言えた。
「では私めが」
息子の今川氏真が進み出たが義元は首をふる。
「いや、ここは海道一の弓取りの実力を見せてしんぜよう」
義元は「ほほ」と上品に笑った。
氏真君は当主ですが実戦経験が少ないのでお留守番です。
戦争面での信頼はないのでしょう。
この時点の信長は大して評価されていません。
信秀はすごかったけどその息子はどうなんだ、くらいです。




