21 戦を始める前に
信長の親戚がいっぱい出てくるので
読み飛ばしてもいいです。
戦は始める前の準備が大切って話です。
「林と信勝が裏切っただと」
信長はあせった。
この二人が敵となると那古野城と末森城の周辺一帯が敵になる。
領地の半分が失われるようなものだ。
清州城がどんなに堅固でも孤立しては戦えない。
城は防衛に優れている。けど取り囲まれるのは前も書いた通り、弱い。
信長は使える城や砦を思いうかべた。
「守山の城‥叔父上が亡くなって今は敵じゃが何とか味方にしてみるか」
守山城は最近、ごたごたがありすぎた。
清州城攻略の手助けをしてくれた叔父信光がそもそもの城主で、その信光が亡くなった後は別の叔父信次にまかせていた。
しかし信次はたった七か月後、事件を起こす。
信次一行が川に出かけた時に偶然、信長の弟の秀孝が一人馬で歩いていたのと遭遇する。
身分の高い人間はけして一人では行動しない。
なので信次たちはこの若者は自分たちより身分が低いと判断した。
若者が馬から下りないので、無礼者と信次の部下が射殺してしまう。
その場で顔を確認した信次はことの大きさに真っ青になる。城にも戻らずに逃げた。
その時は信長も信勝も怒りまくって守山城を攻めようとしたけど、もう主犯は逃げた後。
「我が弟ならば、ただの一騎で駆けまわるなど感心せぬ。生きていたとしても許せてはいない」
切腹を申しつけていたかもしれぬ、と無理やり怒りを抑え込んだ。
ところでこの時の信長は清州から守山まで三里の道を、一騎で駆けつけている。
聞いた人は絶対、お前が言うなよ! と思ったに違いない。
城には逃げた信次の代わりに異母弟を入れるが、異母弟は気に入った家来だけをひいきした。
他の家臣たちは怒り謀反を起こす。
異母弟は腹を切るはめになり、現在では守山の城は反乱側に奪われている状態だった。
(重要なのは信勝側ではないことじゃ。守山が味方であれば那古野と末森をはさみうちにできる)
信長は弟殺しの叔父を許すことにした。
守山の城を占拠していた者たちは元は信次の家来だ。
まとめて許せば城も兵もそっくり手に入るはず。
「恩を売って味方にする。探せ」
隠れていたのが案外近くだったのか、叔父信次はあっさり見つかる。
予想通り、城丸ごと信長派になってくれた。
これで信勝と戦える。
守山城主で異母弟の信時が家老の息子を
贔屓したのは、男色関係だったからです。
許された叔父の信次は、一生信長に
仕えました。




