1 織田家
地名や人名がたくさん出ますが軽くスルーすると
読みやすくなります。
尾張の国は守護の斯波氏によって治められているはずだった。
でも本当に権力があるわけじゃない。斯波さんの一族はただのお飾りで家臣の織田さんの方が実権をぎっちり握っている。
まぁこの時代は殺さないだけましなのかな?
織田家は人数が多い。しっかり調べようとすると嫌になっちゃうくらい多い。
とりあえず一番偉いのは清州城に住んでいる織田大和守。
次が岩倉城に住んでいる織田伊勢守。
で、三番目が戦上手の織田信秀だった。
尾張の国の東には今川氏の駿河の国が、北には斎藤氏の美濃の国があって、どっちもめちゃくちゃ強い。
強敵と戦うには城がとっても重要。
織田信秀は城を築いたり戦でぶんどったりしたけど、一人じゃ治めきれない。
今川からうばった那古野の城を修復しながら(誰に任せるか)と考えていた時、側近が話しかけてきた。
「殿そろそろあと取りをお考えになってはいかがでしょう? 信広様にしますか、それとも吉法師様にしますか」
「ふむ」
信秀はうなずいた。
「年齢的には信広だが‥あれは側室の子であるし、軍才もないようじゃのう」
この時代のえらい人は奥さんが何人もいるのが普通だ。
医学が発達していない時代は子供が生き残りづらい。だからたくさん産む。
信秀には男の子だけで12人も子がいた。
長男の信広はちょっと気が弱いし母親の身分も低い。家臣をまとめられるかが不安。
「とすると吉法師じゃな。あれは正妻の子で気も強い。良き武士になるじゃろう」