表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/52

16 会見のその後

 織田家の行列(ぎょうれつ)もうるさかったけど、美濃の行列もうわさ話で持ち切り。


 大体は信長の奇妙(きみょう)な服装と礼服(れいふく)への着替(きが)えのことだったけど、槍や鉄砲とかの軍事面(ぐんじめん)評価(ひょうか)する者もいる。


 こちらも大将だけは静かだった。


(あのような大馬鹿(ばか)かつ利口(りこう)者が‥ワシの(ほか)にいたとは)


 道三の背中にふるえが走った。


 もし自分が二十も若ければ、おそらく太刀打(たちう)可能(かのう)であろう。


(だが、ワシ以外にあの若造(わかぞう)に立ち向かえるのは今の美濃に‥おらぬ)



「どう見てもうつけでございましたな」

 無言の(あるじ)を心配したのだろう。木曽(きそ)川を渡ったあたりで部下の猪子(いのこ)が話しかけた。


 道三はやっと口を開く。


「だから残念なのだ。ワシの息子たちはみな、あのうつけに(つか)えるだろうよ」


 猪子はビクッとした。

 大将がここまで他人をほめたことはない。



 天才だからこそ天才を見ぬけるのだ。



 翌年、駿河(するが)勢が尾張に攻めて来た。


 もちろん信長は兵を出したい。

 でも敵の(とりで)があるのは村木(むらき)の地で那古野からは遠い。鳴海(なるみ)よりさらに南。


 城をからにしたら、清州勢が必ず那古野に攻めかかる。

 

 兵数がたりなくても信長は出陣をあきらめたくなかった。

 ダメもとで道三に頼んでみる。兵を貸して欲しいと。


 まさか、あっさり了解するなんて。



 よほど気に入られたらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ