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第四十六話 イルキア基地奪還作戦

「それではイルキア基地奪還に向け作戦内容を説明します。」


 イレスコ基地のブリーフィングルームで自身の部隊とダン・ヘンリーから借りた部隊を集めてエミリアは作戦内容の説明を行っていた。


「まぁ作戦と言ってもいつも通り敵部隊を排除して占領するだけですが。偵察部隊からの情報によると、現在イルキア基地を占拠しているのはベリュミルの部隊です。そこにベッソノワの部隊も若干いるようですが、大した問題はないでしょう。それに加えてどうやら基地の復旧もせずに訓練と称してキャスターを飛ばしているようなので攻撃すれば簡単に崩れるでしょう。」


 エミリアはそのまま各部隊の役割について話していく。その内容を聞きながらアルバートはふと彼女の言い方にひっかかりを感じる。


「私とデグレア少佐はベッソノワ家の部隊に当たります。どうやらこの部隊にはイルキア基地を陥落させた機体がいるみたいなので。以上が作戦の概要になります。解散。」


 エミリアはそれだけ言うと話を切り上げた。


「大丈夫ですか、少佐?」


 エマソンがアルバートに話しかける。


「はい。別段問題はないです。それよりも気になるのは大佐の方です。」

「敵がシュタイナー少尉ですからね。大分入れ込んでいたみたいですし。」


 彼女もまた同じ懸念を持っていた。


「分かっています。いざとなれば少尉を倒すのは自分がやります。」

「お願いします。」


 二人はそうエミリアの知らないところで考えをまとめていた。



「あ、アイン。」


 アズリト・アースに呼び止められたアイン・バラノフは彼女のそばに向かう。


「これ見た?」


 彼女はモニタにイルキア基地攻撃時の映像データを見ていた。


「たしか一機でイルキア基地を攻略したやつですよね? 司令室からの柄像ですよね?」

「いや、今回手に入ったのは他のアングルからの映像よ。」


 アズリトはモニタでアルベルトのウルを指さしながら話しかける。


「これは初めて見ますね。」


 アインはそういいながら興味深そうにアルベルトの戦い方を見ていた。



「これは動くな。」


 かつてオズワルド・アークウィンが使用していたイルキア基地の司令室にてウラフ・ベリュミルは通信機の具合を確かめていた。


「確か回線の周波数は……。私だ。バラノフ大将に繋いでくれ。」


 そうして十秒ほど待つ。


『ベリュミル少将か。どうだ? 調子の方は?』

「今のところ予定通りです。この後の作戦も予定通り進めていきます。」

『そうか。ならば後は頼む。』

「はい。」


 バラノフとの通信が終わるとウラフ・ベリュミルは大きくため息を吐いた。


「こういうのは中々慣れないものだな。特にスパイなど。」



「そろそろ休ませてほしい。」


 アルベルト・シュタイナーはずっと働かされていて体力の限界が近くなっていた。


「はぁ。基地に帰りたい。」


 何とか食堂の椅子に座る。そしてレーションを食べようと水で発熱するヒータに水を入れる。

 その時だった。基地に爆音が響く。


「もしかして……。」


 アルベルトは嫌な予感がする。するともう一度大きな音が響く。


「やっぱりか!」


 彼はすぐに食堂から出ると自身の愛機があるキャスターの元に走り乗り込む。機体の方は先ほどまで使用していた関係で起動は完了していた。

 機体のレーダで周囲の状況を確認すると既に基地のすぐ近くまで敵が接近していた。


「対応が遅い。この基地のシステムを考えたらもっと迅速に対応できるだろうに。」


 機体を上空に上げ周囲の戦闘状況を目視で確認する。


「ここまで攻め込まれたら、戦闘せずに離脱をするのは難しいか。それでダーロヴィ大尉たちは、既に戦闘中か。あれならば離脱するまで時間がかかるか。」


 そう思っている矢先にロックオンされたという警告音が鳴る。


「もうロックオンされたか。だが、せめてこの基地で取得した成果くらいは持ち帰りたいものだな!」


 イルキア基地の研究所を調査した部隊が乗った艦が撃沈されないように彼は帝国軍の主力機であるクロノスの部隊と交戦を始めた。



『エチュード少佐はこの戦線の維持及び押上げを行いなさい。私とデグレア少佐はエリアA-1の敵部隊の排除を行う。』

「了解しました。」


 エミリアからの指示にアルバートとエマソンは頷く。


「一騎当千とはまさにこのことだな。」


 研究施設近辺に動員した部隊が凄い勢いで消耗しているという報告を受けたエミリアたちが急行すると、そこには一機で必死になって戦っている機体がいた。その機体はアルベルトが乗っているウルであった。


「ここまで熱心だとむしろ哀れかもしれない。だが、墜とさせてもらう!」


 そう言いながらもう一度狙撃型ライフルで遠距離射撃をしようとする。


『少佐!』


 エミリアの声と同時にアルバートの機体のライフルが破壊されてしまう。


「この距離でライフルを破壊した?」


 アルバートは驚きながらも次に来た弾をギリギリでかわす。


「こんな厄介な敵を放っておくわけには。」


 エミリアに無断でアルバートは機体を前進させる。


『待ちなさい、デグレア少佐。』


 そのときエミリアから通信が来る。


「ですが大佐!」


 今ここで突っ込めば倒せる、そう思いをこめて反論する。


『シュタイナー少尉は明らかに新兵の強さとはかけ離れている。私やあなたが普通に戦っても勝てない。だから慎重に行きなさい。』


 エミリアの言葉は確かに正論であったが、それでもそれが彼のプライドを刺激する。しかしそれでもそれに従い中距離からライフルで攻撃をする。


「あそこまで見切って躱すとは。」


 アルベルトへの攻撃は一発も当たることはなかった。


「だからと言って!」


 それでもアルバートは攻撃の手を緩めることはしなかった。

次は水曜日に投稿します

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