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第四十五話 ハニモーフ基地攻略戦

 エミリアはアルバートのアレースの様子を見ながらもデュラハンの部隊に攻撃を加えていく。


「エチュード少佐。敵部隊は任せてもいい? 私は彼のお守りに行きます。」

『了解です。』


 エミリアはイルクオーレの方向に向かおうとするもその前にウルが立ちはだかる。彼女はそれをあっさりと捌くとアルバートの機体の方に向かう。

 ある一定の距離の中に入るとアルバートとユリアが話しているのが聞こえた。


『崩壊? 今この状態が崩壊していないと?』

『それは……。』


 アルバートがそう詰まった瞬間、アレースの左腕が切り落とされる。

 そしてイルクオーレが大きく右腕を振り上げ止めを刺そうとする。その直前に彼女はイルクオーレに対して攻撃を加える。


「よく頑張ったわね。ここまでやれれば上々よ。」


 アルバートのアレースがその言葉に合わせて下がる。


「ここであなたは墜とさせてもらうわ。」

『それをしたら後悔するのはそっちの方だぞ。』


 アレースの攻撃をイルクオーレは華麗に避ける。それでも装甲には焦げた跡がうっすらとついていく。


「なんでこんな戦争を起こしたの! あなたたちは!」

『その話はさっきしたよ! 第一この戦争の発端は全て前の戦争が原因だ! 自分たちばかり被害者ぶって!』

「前の戦争?」

『その答えはいつか分かるさ。』

「戯れ言を!」


 エミリアがそういってイルクオーレの背面にある翼状の右スラスターを切り落とす。


『ここまでか……。』


 ユリアは少しだけ苛立たしげに言うが、機体の性能が大幅に低下している以上継戦は不可能だと判断した。


『全機撤退するぞ!』


 そのユリアの声に合わせてエミリアが切り落としたスラスターが爆発する。彼女のアレースはそれに巻き込まれて体勢を崩す。


「逃がすか!」


 だが、エミリアの声など当然であるが聞かないといった感じでユリアが率いていた部隊は撤退していった。


「大佐!」


 アルバートは被弾したエミリアのアレースに近づく。


『大丈夫よ。』


 エミリアはそれだけ言うとアレースの右手を上げる。



「アルベルトに怒られそうかな。」


 撤退するなかでユリアは機体の被弾状況を見ながらも、他のことを心配していた。


「まぁ言わなければバレないか。それよりも問題はベリュミルか。ハニモーフ基地を早々に放棄したな。」


 自分の基地を護るような素振りすら見せず放棄して撤退した彼にユリアはどうするべきかと頭を悩ませる。


「あんなやつを基地に入れたくは無いし、アガニコフもうるさそうだしなぁ。それならイルキア基地にでも突っ込むか。」


 それがいいなとユリアは考えた。



 全身を一瞬襲った寒気にアルベルトは空を見る。


「シュタイナー少尉! 貴様どういうつもりだ!? 私からの命令を無視して訓練を行わないとは!」


 臨時の上官であるベニカ・ダーロヴィから怒声が来る。


「逆になぜ自分があなたの指示に従わなければいけないのですか?戦闘中ならまだしも訓練ですよね?」


 アルベルトはすぐに反論する。


「貴様、上官に向かってどういう了見だ!」

「ですから自分の上官はダース・ユリオン大佐です。それになんで戦争真っ只中にマニュアルでの着陸の練習をしなきゃいけないんですか? オートパイロットでいいじゃないですか。第一燃料が勿体無い。」


 鬱陶しそうに答えるとため息を吐く。それにベニカがいら立っているのが明らかに伝わってくる。


「戦場ではなにが起こるか分からないんだぞ!」

「オートパイロットが使えないときは基本的に機体も五体満足の状態じゃないのでどのみち意味は無いです。第一なんでそんなオートパイロットを切った操縦に拘るんですか? ベリュミル少将のいる部隊にでも移りたいんですか?」

「そういう話ではない!」


 ベニカのキンキンとした声を彼は嫌がりながらもどうするか考える。

 そのとき同じ部隊の隊員であるテロルド・アーバンが二人の元にやってくる。


「ダーロヴィ大尉。この基地にウラフ・ベリュミル少将が来るそうです。」


 その言葉をベニカは嬉しそうに、そしてアルベルトは嫌そうな顔をして聞いた。



 アルベルトがイルキア基地の滑走路に着くとそこには既に小型飛行機が停止していた。そして中からは三十半ばに達する男性がゆっくりと降りていた。その人物がウラフ・ベリュミルであった。


「お会いできて光栄です、閣下!」


 ベニカがそう彼の元に駆け寄ると敬礼をして挨拶をする。彼女にならってテロルドと一緒にアルベルトも敬礼をした。


「貴官らは?」


 しかし当然彼女たちのことを知らないウラフ・ベリュミルはそうベニカに尋ねた。


「私はベニカ・ダーロヴィ大尉であります。現在第七艦隊第十六小隊の小隊長を行っております。こちらにいるのがテロルド・アーバン中尉、アルベルト・シュタイナー少尉であります。」

「アルベルト・シュタイナー?」


 ベリュミルはアルベルトの名前に引っかかったような素振りを見せる。


「そうか! 貴様が! 貴様があの時、帝国の小娘を助けなければこんなことにはならなかったんだ!」


 ベリュミルはそう言って突然アルベルトに殴りかかる。通常であればこのときのベリュミルを止めたものがいたのであろう。しかしアルベルトを護ろうとする人物はこの場にはいなかった。


「貴様があのときエミリア・アークウィンを助けなければ! あれを見殺しにしていれば!」


 アルベルトは何回か殴られながらもベリュミルが有していたハニモーフ基地を陥落させたのがエミリアであったことを推測する。しかし今はそんなことよりも思ったより力が強いベリュミルからの殴打を誰かに止めて欲しいと思うが誰も止めなかった。

 そのままベリュミルに馬乗りにされて数分程度殴られることに耐えること以外彼が今出来ることは何も無かった。

最近PVの数が増えてて嬉しいです!

明日は22時半頃に投稿します。

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