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第二十五話 覚醒

すみません。投稿が遅くなりました。

「アルバート・デグレア。よくここまで成長したな。」


 エフゲニー・バラノフは宇宙要塞モズの司令室でトロバ要塞の戦闘を見て口元を歪ませる。


(これで計画は次の段階に遷移することが出来そうか。)


 後は邪魔になる敵を排除するだけだと覚悟を決める。


「グングニル、照準! 帝国軍主力部隊!」


 そう指示を出す。その照準先には当然味方の部隊も含まれていたが、それに反論するものはいなかった。


(これで新しい時代が始まる。旧態依然とした連邦も帝国も変える。)


「グングニル、発射!」


その瞬間宇宙要塞モズに搭載されている大型の砲口が明るく光る。そして幾重にも光の輪が出来たあと、直径四十メートルを超える大きな光の柱が周囲一帯を飲み込んだ。



「連隊各機! 散開しろ!」


 ブライムは遠方からの光が見えた瞬間に機体を

 直後にアルバートたちが先程までいた宙域は光に包み込まれていた。


「クソ! 荷電粒子砲でレーダーが使えないか。各隊、状況報告。」

『私と少尉は問題ありません。』


 エミリアからの報告の後いくつかの部隊からも状況報告が入る。

 しかしその報告数が予想よりも少なく、この被害は中々大きいものではないかと推測する。


『エイブラウ大佐。』

「状況はどうなっていますか?」


 ブライムは拠点としている要塞イリオスの司令部からの言葉を待つ。


『壊滅状態だ。』

「壊滅……。」


 部隊の半数が損失していることに対して大きく驚きは無かったが、実際に聞くとどうするべきなのかと思う。


『だが、あの兵器の脅威はどうにかしたい。』

「あれはモズからですか。」

『あぁ。だからそのまま貴官らにはモズを攻撃してほしい。』

「それは正気ですか!?」

『この状態であの兵器を放っておけるわけないのは貴官とて分かるだろう!』


 ブライムはその言葉に返す言葉が浮かばなかった。


「ですが、それならせめて補充戦力がないと。今の状態ではまともに戦っても全滅するだけです。」

『それは今手配している。』

「手配!? 基地から出せないんですか!」

『さっきの砲撃で基地のカタパルトもダメージを受けた。今アニクウェス大将に連絡を取って部隊増援の依頼をした。それが来るまでは今の戦力だけで戦う。部隊編成はこちらで行う。』

「補給はどうしますか?」

『それについてはこちらで指示を出す。それに合わせて随時補給を行ってもらう。』


 ブライムはそんな余裕があるのかと思ったが、敵も撤退していくのを見てその順番を待つことにしようとした時だった。


まだ戦闘が行われている宙域があった。そしてそこにいたのはアルバートとエミリアだった。


「全く、あの二人はなにをやっているんだか。」


 ブライムはそういうと機体の向きを変えた。



「なぜこいつらは退かないんだ!」


 当初アルバートは殿としての役目を果たしているものだと思っていたが、途中からその動きが違うことに気づく。


「この状況でまだ戦うか!」


 普段であればエミリアと一緒に戦っていたが、エミリアは撤退中にデュラハンの大隊に追われている味方部隊の援護で手いっぱいであった。そのため一人で新型のキャスターを相手にしていた。


「クソ! こんな高出力の荷電粒子砲を遠慮なく撃ってきやがって!」


 ドラゴンの形を模した口から炎の代わりに太いビームが放たれる。その筋が長い時間放出されていた。

 同時に違う方向からも同じように荷電粒子砲による攻撃がアルバートのクロノスに迫ってくる。


「まだいるのか!?」


 しかしレーダを確認してもキャスターが他にいるという反応は確認できなかった。


「光学迷彩? いや、それなら接近戦を仕掛けてくるか。そうなるともしかして……。」


 別方向からの荷電粒子砲の砲台を確認する。


「やっぱり遠隔兵器か。」


 ただそれが分かったところで出来ることなど限られているがと思いながらアルバートはファフニールの相手をしていた。



「あの二機、中々落ちないですね。」


 ドラゴンタイプのキャスター、ファフニールは複座式のキャスターであった。その構成は複座の戦闘機と同様に、一人が機体を制御しもう一人が機体の火器を管制していた。

 従来であればキャスターのパイロットは一人であり、複座式となるのは精密砲撃を行うときくらいであった。しかしこの機体ではその代わりに無線量子通信による遠隔兵器による攻撃も可能であった。その砲兵としてもう一人のパイロットが必要であった。

 そしてその特殊性から敵のキャスターに対して一対一であれば三十秒もかからずに撃墜できるはずであった。


 しかしそれに対してアルバートのクロノスは既に二分以上回避しており、十分にあった距離も詰められていた。


「ならばこの機体が最後の相手にでもするか!」


 味方部隊との距離が離れてしまったため、援護射撃は期待できなかった。だが、それ以上にファフニールに乗っている彼らにとっては既にそのようなことは意味は無かった。

 先ほどのグングニルの砲撃によって上官も死んでしまい、戻るべき場所を失ってしまっていた。


「最後の戦い、存分に楽しむとしよう!」



「プラズマライフルが効かないか。ならば接近戦でなんとかするしかないが、さっきからの別方向の攻撃が……。」


 回避行動をとりながらファフニールとは別方向からくる攻撃の位置を確認する。

 その場所を確認した直後に敵に向かって真正面からプラズマライフルを撃つ。

 当然のようにファフニールはそれをエネルギーフィールドで弾く。

 その瞬間一気にクロノスを加速させる。


「体が持つか、持たないか……。」


コックピットにかかる凄まじいGに耐えながらファフニールの背面に回り込み、攻撃を加える。

 だが、敵もそれを想定していたかのように回避行動をとり、致命傷どころかかすり傷しか与えられなかった。


そしてそのままファフニールに搭載されたアームで左足を捕まえられる。

舌打ちをしてすぐさま右腕のヒートソードで切り離そうとするがその右腕も捕らえられる。


 すぐにクロノスの右腕と左足をパージする。

 その直後、クロノスがいた場所に遠隔兵器からの光がはしる。

 それをギリギリで回避した時だった。


『少尉!』


 ブライムから通信が来る。


「どうかしましたか、隊長。」


 若干の希望を持ちながらも応答する。


『第二防衛戦が突破されかけてる! すぐに援護に向かえるか!?』


 この状況で無茶をと思う。


「今、敵の新型キャスターと――、交戦中で……。」


致命傷を避けながらも被弾箇所が増えていく。


『しかしこのままではアークウィン少佐が!』


 ブライムの叫びにアルバートもレーダーを見て驚く。

 そこに表示されていたのは一個大隊がエミリアがいる戦域に現れていた。

 そしてそれまでに間に合いそうな機体もアルバートのクロノスのみだった。


「分かりました! すぐに向かいます!」


 機体をすぐに反転させようとするが、如くファフニールが邪魔をする。


「クソ! 邪魔を!」


 その一瞬の焦りが命取りになる。直進をし、距離を詰めて来たファフニールのクロ―にクロノスの左足をつかまれる。そしてその瞬間、ファフニールの遠隔兵器がクロノスに攻撃を仕掛ける。

 そのときのすべての動きがアルバートにはスローモーションのように見えた。


「まだ死ねるかぁ!」


 そう叫ぶと同時に頭の中がクリアになる。

 トリガーを引き発射直前の状態になったプラズマライフルを迫りくる荷電粒子砲に向かって投げる。

 そして荷電粒子砲が直撃したプラズマライフルは爆発し、荷電粒子砲が消える。同時に左足をパージし、プラズマサーベルを引き抜く。


そのままクロノスはメインブースターをフルスロットルで噴かす。そしてファフニールの背後に回り込み、プラズマサーベルで切り裂いた。


それになんの感慨も持たずにアルバートは周囲に滞留していた、恐らく撃破されたであろう味方のゼウスの物だったライフルを拾うと同時にエミリアがいる戦域に向かった。



『エミリア、今から援護を行う。』

「アル。」


 彼からの通信にエミリアは少し嬉しくなる。しかしその直後に彼が見せた戦闘は今までの彼女が知っている戦い方ではなかった。


「なに、あれ……。」


バーサーカーのように考えもなにもない攻撃だった。

数分後、そこには多数のデュラハンの残骸の中心にアルバートのクロノスが佇んでいた。

次は水曜日の22時半ごろに投稿します。

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