表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
164/205

♯16.Missing song ⓪(失われたものを求めて…)


――◇――◇――◇――◇――◇――◇―― 



 ……どこからか、声が聞こえる。


 ふわふわとした浮遊感が、思考を曖昧なものにしていく。

 何も感じない。何も見えない。何も思い出せない。何もー


 それなのに、どこからか。

 私のことを呼ぶ声がする。

 本当の私など、嘘にまみれた偽りの人間だというのに。

 それなのに、私のことを探している。


 なぜ?

 どうして?


 そんな簡単な疑問にさえ、私は答えを見出すことができず。ただ、眠るように、身を委ねている。


 ――カラカラ、カラカラ。

 ――カラカラ、カラカラ。


 映画館のフィルムが空回りする音が、まるで子守歌のようだった。



――◇――◇――◇――◇――◇――◇―― 



「アラクネ? いやー、聞いたことない名前ですね」


「そうか。君たちでも知らないのか」


 窓の外で流れていく街の風景を、アーサーは片肘をつきながら答えた。


 街中を走る防弾使用の高級車。助手席に座った黒服の男が、話しながら後部座席に振り返る。首都の街並みは、いつものように平和だ。


 だが、それも今夜までだ。

 夜になったら、この街は戦場となる。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 姫さんかな?
[一言] 久しぶりにナタリアさん登場?
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ