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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
山守編
989/1591

11-40 まぁだカナ


短い間にイロイロあったニャア。


にしてもナゼ中国妖怪は、やまとに仕掛けようと考えたのだろう。大陸でも畏怖いふされている、あの紅白大蛇の聖域を荒らすか? アタイだって居るのに。


・・・・・・どう考えても理解不能。



太古より水を司る、はじまりの隠神おにがみいくさ嫌い。


安住の地を求めて東へ東へ。牙の滝を御気に召し、ウッカリ神格化。そんな水神のめぐし子が暮らすは中の東国ひがしくに、霧雲山の統べる地。


・・・・・・やっぱり解らニャい。



まぁ良い。悪取神あとりのかみの御力により浄化された雷獣は、一家揃って流転るてん待ち。


輪廻転生しても夫婦、親子になると良いナ。






「どうしよう稻羽いなば。足が生えている白い蛇がアッあっ、悪取神あとりのかみに御会いしたいって。」


「はい。」


「『はい』じゃナイよ。」


大国主神おおくにぬしのかみ、落着き為さいませ。」


使わしめになだめられ、プッシュゥ。御頭みかしらから白い煙がモクモク。






悪取神は明里王あかりのきみで、国つ神でも在らせられる。


元は御犬社おいぬのやしろの祝で闇堕ちし、悪いモノを奪う『悪取の力』を得なさった。加えて『滅びの力』を御犬様おいぬさまより、『獣の力』を隠犬おにいぬさまよりたまわった隠神。



おにときが開いても人の世に留まり為さり、他では生きにくい人や合いの子を明里あかりの地に受け入れて御出でだ。



明里は隠の国、ひょうは妖怪の町。


・・・・・・末永くヨロシクね。ソウじゃ無くて、いやソウなんだけどソウじゃナイんだ今は!






「落ち着かれましたか?」


「ウム。」


「足が生えている蛇は大陸の神で、御名をりゅう大海原おおうなばらや地の底で暮らし、雨雲あまぐもを統べる力を御持ちだとか。」


「ホウ。」


「白い龒は天帝の使いと昔、蒜山ひるやまで教わりました。」






因幡いなば山の治めの隠で在らせられる兎神は稻羽の実父。つまり稻羽は、隠の世で生まれ育った隠なのデス。



因幡の隣は伯耆ほうき。蒜山の治めの隠で在らせられる鯉神は、蛇神の次に隠神に御為り遊ばした長老。


幼獣の時からヤンチャだった稻羽を、とても可愛がってくださいました。



隠の世から人の世に出た稻羽は八上比売やがみひめの社に縁故就職。


世は違えど因幡は因幡、せば良いのに大はしゃぎ。出雲神話として今も語り継がれる、あの御話で有名兎に。


縁あって出雲、杵築大社きづきのおおやしろに就職。大国主神の使わしめとして、真面目に働いて居ります。






「天帝、というコトは。」


「はい。『闇堕ちした雷獣を救えるなら』と御力を振るわれた悪取神に、御礼の言の葉を述べられるために御越し遊ばしたのかと。」






大陸の天獄てんごくから離れられない天帝に代わり、やまとへ。


イキナリ明里へうかがうのは如何なモノかと、ずは大社を訪れました。御用が済んだら観光しようカナ。なんてコトを考えながら、控えの間で待機中。


まぁだカナ。



ちなみに大陸で白子は神聖な生き物と考えられ、つつき殺されたり乱暴に扱われる事はアリマセン。


白子は目の色素も欠けるので、網膜などの血液の色を反映して、瞳孔が赤くなります。伝承などで特別視される白牛、白蛇、白狐も白子ですヨ。






「お待たせしました。どうぞ、こちらへ。」


「ハイ、アリガトウゴザイマス。」






白龒はくりゅうも良く人語を話し、万物の情に通じる半神。片言かたことなのは御愛嬌。



悪取神の使わしめ、あけみが人語を操れるのは『獣の力』の影響。白子だからじゃナイよ!


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