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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
乱雲山編
89/1709

5-16 争奪戦の末

そう、きましたか。いえ、ね。そんな気は、しました。何せ、神の御告げですから。何十年ぶりかしら。



「祝、シッカリして下さい。」


「そうです。村の、行く末に関わることです。」


「引きません。決して。」



長って、こんなだったかしら?



「コウは、ジロの孫です。狩り人として、生きる力を持っているはず。稲田を出て川田に。というなら、諦めもつきます。しかし、乱雲山に来た。私は引きません。ぜひ、矢光の村へ。」


「なっ、何を言う。どんな力にせよ、稲は生きる糧。神の御導きに違いない。二人とも、幸田の村へ。」


「いやいや。確かに稲は生きる糧です。しかし、稲だけでは偏ります。いろいろな野の菜、葉の菜、根の菜など。多く食べなければ、強く生きられません。ぜひ、切雲の村へ。」



『乱雲山の人って、勢いがあるなぁ』と思いながら、朝餉を食べるツウとコウ。稲田の子は、逞しい。



「ごちそうさまでした。とても美味しかったです。」


「ごちそうさまでした。器は、どこへ。」


「ごちそうさまでした。二人とも、手伝っておくれ。」


「はい。」


社の司。ツウとコウを連れて、出た。



フクは心を決め、言った。どの村へも、行かせない。社で引き取る。コウが稲田を出たのは、“小さくても良い。争いのない村”を、作るため。その願い、乱雲山で叶えてほしい。




「すべて、話しました。諦めて、村へ戻って下さい。」


「しかし。」


「認めません。」


「けれども。」


「認めません。」


「とはいえ。」


「認めません。」




「どうする。」


「どうもこうも。」


「それは、そうだが。」


「ハァァ。」


三人の長、思わず溜息。




「何も、閉じ込めるわけでは。」


「と、いうことは。」


「コウは、狩り人として生きたいと。ツウは、いろいろ出来るようです。何を選ぶにせよ、ゆっくり決めさせます。」


「と、いうことは。」


「二人とも、生きる術、力があります。ですので、社から試み村へ、通わせます。」


「と、いうことは。」


「見守ります。決して、強いてはいけません。皆、良いですね。」





「落ち着く所に、落ち着いたな。」


「にしても、熱いねぇ。」


「そんなに欲しいのか。」



「欲しいから、集まったんだろう。」


「まぁ、そうだな。」


「引いてた、二人とも。」



雲井社の三妖怪、呆れながらも見逃さない。ワクワク続くよ、どこまでも!


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