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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
光芒編
871/1585

9-83 そして、伝説となった


闇喰らいの力は感じるのに、叢闇むらやみの力は感じられない。ソレどころか消えた。叢闇鏡むらやみのかがみ叢闇珠むらやみのたまは一つになり、叢闇剣むらやみのつるぎを求めて耶万やまへ。


その後は?




「聞いたか。海を越えてきた闇喰らいの品が、吹出山に納められたらしい。」


「吹出山って中の東国ひがしくににある、あの吹出山か。」


「あぁ、その吹出山だ。」


小ぶりな山が三つ連なり、黄泉平坂よもつひらさかに繋がっている。山に許し無く入れば、サッと根の国へ送り込む。


人のときの外れにあるひとやは入れ替わりが激しく、いつもイッパイ。新しいのが入るたび、古いのが居なくなるトカなんトカ。



「吹出山のいただきに建てられた社。その中に納められている品を手にすれば、大いなる力を得られる。」


ゴクリ。


「濃く深い闇を纏い、好きに暴れられる。」


ゴクリ。


「欲しい。」


ゾロゾロぞろぞろ、ゾォロぞろ。やまと人の世に暮らすしきモノ、せば良いのに吹出山へ。






「妖怪が多いなぁ。」


まっ、そうなると思ってたケドね。


「人も混じってるね。」


育った合いの子か。


「闇に呑まれて心を捨てたり、歪めた人も居るよ。」


あらヤだ。


おさ、どうします?」


「寄り道せず、真っ直ぐ向かえばソレで良い。」


キリッ。



妖怪の国守を支えるため、使わしめが立ち上がった。


穏やかに和やかに暮らす人に狙いを定めれば、直ぐに捕まりはらわれる。神の御坐おわす地を通れば、漏れ無く清められキラリ。


何も知らない、気づかない妖怪は人の世から、サササと消えて無くなる。わぁい!



悪しきモノの多くが海から、大磯川を上がって来た。


ナゼって、そりゃね。『魂を抜かれるか闇の力で殺されるか、どちらか好きなのを選べ』なんて言われて、ウキウキする妖怪はイナイよ。



白い森を抜けようとすると、スッと魂が抜かれる。加津を抜けようと近づけば直ぐ、鋭い闇で貫かれ死ぬ。手前にある千砂ちさに近づけば直ぐ、ギザギザの闇に手切たぎられる。


ゾゾッとするでしょう?



「人は吹出社ふきでのやしろ、妖怪と合いの子は獄に入れる。良いな。」


黒狼ズ、コクリ。


「皆、かかれぇ!」


「オォォン。」 ハァァイ。



目をギンギラ輝かせ、力を求める悪しきモノ。続続つぎつぎと吹出山に詰めかける。様様さまざまな刺激を受け、感情が高ぶりオラオラ。


我こそは!と思うモノが一歩、また一歩前へ。



・・・・・・あっれぇぇ、オカシイぞぉ。


山に烏が多いのは当たり前。けどね、鷲や鷹ならイザ知らず、人を掴んで飛びますか? いいえ飛べません。なぜなら、烏だから。


どう見ても烏だよね。『カァカァ』鳴いてるもん、烏だよ。鳶よろしく急降下、かぁらぁのぉガシッ。吹出社まで飛んで、上空からポトッ。


ヒュゥン、ピッカァ。浄化完了。



・・・・・・あっれぇぇ、オカシイぞぉ。


悪しき妖怪、消えてゆく。バンババばんばん消えてゆく。何も無かった地が抜けて、ヒュゥンストンと落とされた。


ココはドコ、ワタシはダレと騒いでも、助けは来ないし出られない。シュゥン、ペッカァ。処刑完了♪






叢闇の品は伝説のアイテムとして広く、広く語り継がれた。吹出山の頂に御坐す神は、妖怪をペロリと食らい為さるとも。


そんなのデタラメ、からっぽヨ。


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