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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
光芒編
857/1586

9-69 準備完了


慌てふためき為さる大貝神おおかいのかみ、キョロキョロ。いつもなら使わしめ、土が現れるのだが・・・・・・。



「松田の縄張りがあるのは大貝山の統べる地。大貝神が出向かれ、御調べ遊ばすのがよろしいかと。」


サラリと加津神かづのかみ


「そうですね。」


楽し気に耶万神やまのかみ


「では皆、頼めるかな。」


千砂神ちさのかみ、ニッコリ。



『頼めるかな』って、何を。『御調べ遊ばす』って、エッ。いや、イヤいやイヤ待て。ヒョエッ。



「妖怪の国守なのだから、人の為に生きよ。」


ハッ!


「国守である前に親だ。人でも妖怪でも、親が子を守り育てるのは当たり前。」


言い切るミカの側で、クベが頷く。


「人に託すのが嫌なら、使わしめに引き取らせる。それなら良かろう。」


良いワケ無いだろう。


「子が使い捨てられると分かっていて託すほど、オレたちは愚かじゃ無い。」


ミカもクベも、妖怪になる前は奴婢ぬひ。使い捨てられる痛みを、嫌と言うほど味わった。誰の子であっても、子に同じ思いをさせたくない。


「妖怪の国守が調べなければ、いづれ闇に落ちる。大貝山の統べる地が、闇に落ちても良いのか。」


「ケッ。何を言い出すかと思えば、それでも神か!」



ナッ! 神に何というコトを。それでも国守か。って、あれ? 三柱ともナゼ、穏やかな御顔を為さる。


加津神、コレは加津の国守。キツクしかり、従わせなければ。



「松田に滅ぼされた里や村、国から闇が溢れたのです。」


千砂ちさ祝人はふりとだった、妖怪の国守モト。


大祓おおはらえの儀を執り行い、清らになってから御調べください。」


会岐あきの祝人だった、妖怪の国守フタ。



や、めて。そんな目で見ないで。千砂神、耶万神、笑ってナイで・・・・・・お願い、助けて。



「それが出来れば苦しい思いなど、せぬわ!」


大貝神、まさかの逆切れ。


「統べる神なら、四の五の言わずにヤレ。」


「ヒャッ。」


ミカに首筋を掴まれ、社の裏に連れ出された。『止めよ』と言おうとした時、口の中に闇が撃ち込まれる。フタの闇は死ぬまで尽きない。


大貝神の御頬が、餌を詰め込んだリスのようにパンパン。






「サテっと。」


ミカとモトが闇を伸ばし、地に深く突き刺した。ソレをたわませ、切り取ったクベの闇を括り付ける。


お察しの通り、『ぱちんこ』で飛ばします。


「んむ、んむんむ。」 ツチ、タスケテ。


ユキの闇に縛られた大貝神。膨らんだ頬をプルンプルン為さり、ガタガタ。


何てったって祝の力付き。幾ら神でも、いや神だからこそ引き千切ちぎれない。



「少し北、気持ち右。ハイ。」


使い蜉蝣かげろうちかの指示通り微調整。


「ユキさん、乗せてください。」


「はい。」


クベの闇の上にポン。と当時にクルッ。


「思ったより重いですね。少し、強く出来ますか?」


ミカとモトが見合い、頷く。


「はい、ありがとうございます。」


準備完了。


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