表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
光芒編
818/1586

9-30 そんなに気になるのかい?


アンリエヌの入国審査は厳格であると広く、広く知られている。それでも密入国者が絶たない。その全てが輸出入貨物の審査で発見され、強制送還されるのに。




「才を使うか。」


このままでは、税関で働く者が倒れてしまう。亡命したければ入国の際、申告すれば良いものを。認めるとは限らぬが。


「いや、作り出そう。」


誰でも安全に操作でき、量産可能な品を。


アンリエヌで産出する物を使って売り出せば、潤うだろう。皆、優秀だからな。どんな物が出来るのか、とても楽しみだ。






アンリエヌの民を殺害した、他国の犯罪者がいた。捕縛後、問答無用で斬首。むくろは獣に食わせ、首を叩き付けるように返還。


国際問題にならなかったのは、ソレが重犯罪者の首だったから。



招かれ訪れた、旅券を所持する民を殺したのだ。殺害理由は、アンリエヌの旅券を奪うため。


護衛を付けていたが、部屋の外に居た。女性が着替えるのだ、気を遣うのは当たり前。小さな物音に気づき、踏み込んだ時にはもう・・・・・・。



アンリエヌの民に危害を加えれば、必ず殺される。周知徹底を図り、再発防止には成功。その代わりに増えた。


ヤツらの狙いは密入国し、アンリエヌで子を作る事。保護者として労働・永住許可証を得ようと考えている。



発行するワケが無い。


そのような事態が発生した場合、去勢した上で拷問し、惨殺する。そこに愛があったとしても決して見逃さない。生まれた子は親から奪い、孤児院に入れる。



子に罪は無い。よって成人後、『両親は死んだ』と伝える。


職業選択の自由を与えるが、公務員にはナレナイ。但し、当人のみ。次代は犯罪を犯さぬ限り、能力があれば公務員になれる。






「カー様。旧王城より、宰相の使いが参りました。『御目通りを』との事。」


「先触れもなく、か。ブラン、悪いが頼む。」


「はい。ゆっくり、お休みください。」


ニコッ。


「ありがとう。」



耶万やま神倉ほくらに納められた、闇が群がる品を見たワケでは無い。なぜだろう、胸がザワザワする。霧雲山、しくは霧雲山の統べる地にわざわいを。


エン、そんなに気になるのかい?



私は化け王、神では無い。


『はじまりの一族』や『新たな一族』、人の手で生み出された品なら破壊できる。しかし他は。魔物にもイロイロ居てね、特別な品は手に負えないよ。



「読むか。」


エンの頼みだ。『道を示す』くらいの事はしよう。これから何が起きるのか、知ろうじゃないか。先ずはアンリエヌ、ついでにやまと。


寝台に横たわり、目を閉じた。予知の才を呼び出し、映し出す。あらゆる事を。






「・・・・・・困った。」


叢闇鏡むらやみのかがみ叢闇珠むらやみのたま。化け王に御頼みしようにも、つてが無い。鳥の谷に在る崖のほらを調べたが、羽の一本すら無く。


「おりょち?」


めぐし子マルに見つめられ、ニッコリ。



幾ら『はじまりの隠神』で在らせられても、相手はアンリエヌ国のカー化け王。使いを出そうにも、アンリエヌが何処に在るのかサッパリ。


もう、お手上げ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ