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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
光芒編
814/1585

9-26 終わらせてやろう


「カーめ! この兄を待たせるとは、何様のツモリだ。」


アンリエヌの王様です。


「早くアレから、才を奪い返さなければ。」


どうやって?


「腐っても化け王。認めたくないが、勝ち目は無い。」


はい、無敵です。


「アレが死なないのって、エンから不死の才を奪ったからじゃ。」


奪ったのではなく、譲り受けました。



大王エド。王弟ジャド、ベン。王妹ウィも大臣。四人とも才を奪われた『はじまりの一族』の生き残り。王族なので、大王や大臣の役職を与えた。勿論、名誉職。


旧王城の地下で『新たな一族』と暮らしている。



「何を、イヤまさか。」


「エド。ルーの墓をあばこう。」


「落ち着けジャド。そもそも、どうやって近づくんだ。」



城内に許しなく入れば即、死罪。


高い城壁で囲まれているので、うっかり迷い込む事は無い。城門には守衛が詰めており、死角ナシ。加えて、化け王の才で守られている。






「また来たか。」


列強諸国から、続続ぞくぞくと攻めてくる。


「降伏せよ、との事。」


そんなに死にたいのか。



アンリエヌに一歩でも入った瞬間、才が発動。細かく分類、処理されてから格納。時の流れが止まるので、長期保管可能。食糧には困らない。



奪った武器は分解し、再利用。兵糧は安全確認後、有効活用。


列強の謀略により、困窮している国は多い。同盟国で無くても、可能な限り救援物資を送っている。



「アンリエヌなど、帝国に比べれば小国だろうに。」


窓の外を眺め、溜息をく。



兵も気の毒だ。突撃命令が出されれば、死ぬと解っていても突き進むしか無い。雄叫びを上げても震えは止まらず、家族や恋人の名を叫ぶ。


スッと消える兵馬。伝令兵は絶望し、決死の覚悟で戻る。真実を、ありのまま伝えるために。拷問されると、処刑されると分かっていても逃げられない。



「カー王が即位なさってから、アンリエヌは驚異的な発展を遂げました。それゆえ求めるのです。アンリエヌの富と力を。」



カー様は収集の才を生まれ持つ、化け王で在らせられる。他の王族とは違い、民を慈しみ愛される御方。


そもそも『はじまりの一族』と、我ら『人』とは違う生き物。富は兎も角、力。尊い才を求めるなど、無知にも程がある。



暗愚な為政者が国の政治を誤り、殺すのだ。


民は幾多の辛酸を舐め、生まれた事を後悔するようになる。生きるために悪事を重ね、全てを呪いながら死んでゆく。残ったむくろを、飢えた民が奪い合う。



「破滅をいとわず求めたのだ、終わらせてやろう。すぐ戻る。」


「ハッ。」






「エド王。こんなコトになり、残念です。」


カーに手渡された包みを開き、見開く。


「兄を殺したのか、カー!」


敵陣を急襲してから為政者を殲滅。城外を散歩していると、仕掛けておいたホイホイに獲物が。


「切り離したダケです。生きていますよ、兄上。」


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