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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
787/1584

8-271 強か者


「アコさま!」


コロとキキだけでは無い。ひとやに繋がれていた者、すべてが平伏ひれふした。


「私ども皆、生まれ変わりました。これまでの歪んだ考え、行いを改め正し、恥ずかしくないよう生きます。」



コレで終わらなかった。ワラワラとアチコチから人が集まり、涙を流しながらアコに手を合わせ、膝を折る。



「皆、深く感じ入って、敬い従おうと思っている。アコに心を傾けて、思いを寄せているんだよ。」


「ねェてる。蛇谷の祝は、どうだった?」


「皆、お日様みたいな人さ。ちょっぴり甘くて、滅びちゃったケド。」



シッカリしなきゃ。甘さを捨てて、厳しくしよう。やしろの司は人のおさ耶万やまや、耶万に滅ぼされた国の人たち、全てを導くんだ。



「ありがとう。私は社の司として、耶万を守ります。皆さん、力を貸してください。」


ニコッ。






大臣おおおみコロは大王おおきみおみキキは大臣となり、耶万に尽くしなさい。」


社の司、アコ。


「何が言いたいか、解りますね。」


禰宜ねぎ、ザク。


「話し合いでは無い。」


祝人頭はふりとがしら、ダイ。


「逃がしませんよ。」


祝女頭はふりめがしら、リキ。


「社の司は人の長。長のおおせです、従いなさい。」


育て、ヤヤ。



耶万社やまのやしろの離れに入るまでは皆、ニッコニコだった。なのに今は。笑ってますよ、コワイだけ。


五人の後ろに継ぐ子がズラリ。揃って目をギラつかせ、黙ったまま見つめている。



めかんなぎおかんなぎと違って皆、祝の力を持っている。闇の力を持つのは、アコとアサだけでは無い。


コワイ逃げたい、断りたい。けれど、そんな事をすればスイのように。




「大臣ロロ。つつしんで、お受け致します。」


としか言えないじゃナイか!


「臣キキ。謹んで、お受け致します。」


だから、殺さないで!



獄から出す時、コッソリ植えたんだ。闇の種。芽が出て無いから信じるよ。しっかりオツトメ、果たしてネ。ウフフ。



「耶万の行く先は明るいね。」


「そう、ですね。」


耶万神やまのかみと使わしめマノ。見合ってニッコリ。



ぎこちない? 大目おおめに見てください。ほら、みんな笑ってマス。コロとキキは、泣きながら笑ってますヨ。






「蛇谷のき蛇、照です。あの子たちは皆、歪んでいます。けれどもう、耶万から闇が溢れる事は有りません。」


嫌呂きろろ悪鬼おきが見合い、首をかしげる。


「光の雨を吸った地は、しばらく闇を清めます。イザとなれば、フフフ。」


楽しそうな照にコンコンず、真っ青。


「嫌呂さま、悪鬼さま。これまで、ありがとうございました。」


アコが深深と、頭を下げる。良い子だ!


「これからもイロイロ、よろしくお願いします。」


したたかな子だ。


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