表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
778/1585

8-262 引き渡そうかな


一人では海に出られない? 知らないよ。


浅瀬まで押して、飛び乗れば良いじゃないか。沖まで出たら、海神わだつみのかみが送り届けてくださるよ、きっと。




てる、どうしてグルグル回ってるの?」


「舟を漕いだ事、無いんだろうね。」



オレの力じゃ、どうする事も出来ないよ。生きて戻って貰わなきゃ、何も伝わらないじゃないか。困るなぁ。



「海神、真中まなか七国ななくにまで戻しましょう。あの舟を飛国とのくにの浜まで、こうビュンと。」


「疲れた、もう寝る。」


「いけません。蛇が、照が睨んでます。他の蛇とは違うんですよ。」


使わしめこう、前足でペシペシ。



御隠れ遊ばした蛇谷神へびたにのかみの使わしめ、ウロから聞いたのだ。照は人にく事で力を強めると。同じおにだが、他の蛇とは違うと。


祝の力を生まれ持つ人に触れられるのだ。闇で包んで動かしたり、浮かせたり出来る。そんな力を昔から、ずっと蓄え続けている蛇。それが照。



「解った。分かったからめなさい。」


亀のペシペシ、痛いのよ。


「申し訳ありません。」



良く分からぬが、この慌てぶり。照とやらは、はじまりの隠神とゆかりが有るのか。もし、そうなら・・・・・・マズイ。


いくさ、戦で海は大荒れ。イロイロ落とされイライラして、つい。



ヨシ、送ろう。しづめ西国にしくにやら中の西国なら、イロイロ纏めて送り込もう。ん、そんな目で見る・・・・・・というコトは。ハッ!






グワンと引いて、波の壁が。アッ、来る。きき、来たぁぁ。



「わぁ。あの御力でココまで、押し寄せたんだ。」


「そのようだね。」



振り落とされないように気を付けてネ。なんて考えながら、手を振って見送った。


持ち込まれた品をアレコレ見て回り、溜息。何だコレ、鉄の塊じゃないか。この戦、西国が関わっている。鎮か中か、どちら共。



「アコ、真中の七国は引くよ。あの男が闇を抱くか、闇に近づけば育つ。アレを見れば気付くだろう。耶万やまに手を出せばドウなるか。」


「そうだね。・・・・・・西国が使いを送ってきたら、闇を植えたガガを引き渡そうかな。」




釜戸山と浅木に裁かれ、悔い改めたらしい。ガガは七国や西国から攫われた人たちを、耶万のに隠れて甚振いたぶったり売り払ったり。子にも。



王の姫とかおさの娘とか、扱いが違っていた。見張りも立っていたし、奪えなかったハズ。


継ぐ子がコッソリ食べ物とか運んでたし、出られるようにしてから出たって。だから攫われたか奪われたのなら、その後。



ガガは奪い過ぎて良く覚えて無いらしい。


獣を入れる檻に、整った子を五人入れて運んだのは覚えていた。その中に王とか、長の子が居てもオカシク無い。



早稲わさの人が見つけて、釜戸山に引き渡したんだっけ。その中に居たら。いや、まだ戻されてない。中の東国ひがしくには閉ざされたまま。


開いているのは鎮の西国、中の西国、真中の七国。他は閉ざされてるから、やしろを通しても知らせられない。良那らなで聞いたよ。そうでしょ、照。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ