表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
774/1586

8-258 口上を述べよ


ヒュゥッ、ボスッ。



「・・・・・・コレ、もしかして。」


「うん、マツの種だね。」



大きさはこぶしくらい。金色と黒のシマシマで、ズッシリ重い。今にも『ゴゴゴ』と鳴りそう。



「使えるの?」


「使えるよ。悪い事しようと攻め込んでくるのに投げつけて、サッと離れるんだ。近くに居ると巻き込まれるから、気を付けてネ。」


テヘッ。


「ねぇてる、どれくらい離れれば良いの?」


「そうだねぇ。ココからだと、今井くらいカナ。」


タイヘンだ! 急いで離れなきゃ。



光江に居るのは七人。やしろの司アコ、禰宜ねぎザク、祝人頭はふりとがしらダイ、祝女頭はふりめがしらリキ、育てヤヤ。継ぐ子のアサ、ユイ。



「落ち着いて、アコ。殺神あやかみに御頼みしよう。マノさま、お願いします。」


「分かった!」


ピュゥン。



「みんな、良く聞いて。これから真中まなか七国ななくにから、使いとつわものが押し寄せる。その前に近海おうみ殺社あやのやしろへ。」


「アコが残るなら、オレも。」


「イケナイよ、ザク。禰宜として、皆を頼む。」


「・・・・・・分かった。照さま、アコをお願いします。」




「戻った。行くぞ!」


マノが闇を広げ、六人を包んで消えた。


よろしくお願いします。」


そう言って、アコが頭を下げる。



海神わだつみのかみ、今です。」


「ウム。」


とりゃぁ!






風も無いのにスイスイ進んでいた舟が、いきなり止まった。グワンと波が高くなって、ドンと低くなる。


笠国かさのくに駒国こまのくに剛国こうのくに倭国しずのくに瀬国いわたのくに飛国とのくに保国たもつくに。七国から集めた兵も舟も助かったが、何が起きたんだ?



「わっ、わぁぁぁぁ。」


「振り落とされるな、掴まれ!」



舟を囲うように、波の壁が立つ。グンと沈んで、ドンと押し出された。ピュゥ。いやビュンと進んで、アッと言う間に光江に流される。




「・・・・・・着いた、ようです。」


港にズラッと並んだ七国の舟。どう考えても、神の御業みわざ


「行こう。」


ゾロゾロと、おかに上がる。



思ったより多い。こりゃ話し合う気なんて無いな。いくさでも始める気かって、そうだった。ふぅ、落ち着けアコ。



「私は耶万やまの社の司、アコ。ここは光江、耶万に組み込まれた国の一つ。こんなにも兵を引き連れ、何事なにごとか。」


「私は倭国、王の弟。引け。」


・・・・・・投げちゃおうかな。


「戦を仕掛けるならず、言の葉で伝えよ。」


「ハッ、子が何を言う。」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ