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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
751/1585

8-235 問題なのは


大貝社おおかいのやしろ、大騒ぎ。


統べる地で、数多あまたの妖怪が生まれたのだ。人から生まれたのでは無い。闇に魅せられ、妖怪にちた。



セッセと受け付け、割符わりふを渡す。大貝神おおかいのかみも土も、使い蜘蛛もヘロヘロ。駆け付けた社憑やしろつきと代わり合いながら、何とかさばいている。




「これで全てか。」


脱力なさる、大貝神。


「はい。隠のときでの暮らしを望む妖怪は皆、手続きを終えました。」


フラフラする使わしめ、土。






和山社なぎやまのやしろにぎやかです。


使い隠からもたらされる知らせを、詳しく調べて明らかに。今は冬。隠神だって、ノンビリしたい。けれどキビキビ働きます。



「中の東国ひがしくに、大貝社の統べる地。隠の世へ移り住む事を、強く望む妖怪。その全て、割符を手にしました。」


使い隠たち、キリリ。


「そうか、ありがとう。」


サッサと済ませて、大蛇社おろちのやしろへ戻りたい大蛇神おろちのかみ。ニコリ。



大貝山の統べる地で生まれた妖怪は、そんなに多くない。いや多くの隠が妖怪になったのだが、大祓おおはらえにより清められたのだ。


つまり、大祓の生き残り。



問題なのはしづめの西国、中の西国、真中まなか七国ななくに。まさに妖怪、誕生ラッシュ。


幼子おさなごなら慈しみ育て、厳しくしつければ良い。けれど見た目が大人なら? とても扱いにくい。




「鎮の西国にて、のさばる妖怪。ひょうの妖怪が狩り尽くしました。」


二妖一組で、協力ハンティング。


「狩った妖怪は闇に入れられ、王の闇へ送られているようです。」



瓢の王、ぬらり。支配する闇に入れられた食糧を、凍結乾燥する力を持つ。消費期限は無く、湯を注ぐ事で美味おいしく食べられる。



大社おおやしろとの外交に失敗し、結ばされた不平等条約。やまとが存在する限り、条約改正は勿論もちろん、不平等条項の撤廃も出来ない。


『異なる国の民』として、生き続けるのだ。



不服を唱えると思われたがビックリ仰天! 瓢は興奮のルツボと化す。まさに狂喜乱舞。『素晴らしい条約だ』と、感謝の祈りを捧げた。


皆で鎮の西国、人の世の果てに与えらえた地へ御引っ越し。弾けるような笑顔で、仲良く幸せに暮らしている。




「話を聞いた時は驚いたが、収まりそうで良かった。」


シミジミと、兎神。


「瓢が置かれたのは、人の世から闇が流れ込む地。」


ニッコリと、蝙蝠神こうもりのかみ


「田畑で育てた物にも、闇が宿やどる。」


牛神もニコリ。



『頼りない上司を持つと、部下が育つ』なんて言わないで。大国主神おおくにぬしのかみ稻羽いなばに、全幅ぜんぷくの信頼を寄せているのです。


丸投げ? イエイエ、違います。






いづれにせよ、闇が清められるまで開かぬ。」


そりゃそうだ。


「気掛かりは、耶万やまのスイ。」


まだ狙ってます、闇食らいのつるぎ


「アコが戻るまでは生かすよう、伝えたが。」


嫌呂きろろたちの報告によると、かなりアブナイようで。


「闇を使いこなせるまで、もう少し掛かるだろう。」


楽しみですね。


「隠の世から、見守ろう。」


よろしくお願いします。


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