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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
734/1586

8-218 果てまで行けば


・・・・・・困った。どうする、どうしよう。


大祓おおはらえの儀は、なんとか成し遂げた。しいモノは清められ、消えて無くなった。なのに、人から妖怪が?



大国主神おおくにぬしのかみしづめ西国にしくにで、妖怪の国が出来ました。」


「なっ、ナント。」



滅んだ里や村、国も同じ。生き物が居ないダケで家は有る。田も畑も、そのまま残っている。居抜き物件、しかもタダ。そりゃ住み着くよね。



「王はぬらりと名乗る、つかまえ所の無いバケモノです。」


「ばっ。」


バケモノって、アレか。海を越えて来た、アレなのか。


「闇を纏うも、形を持たぬようで。」


ようで?



・・・・・・早う言わぬか。気になる、何なのだ。ヨもや化け王ノ使いデハあるマい。ウウン。声が裏返ったガ、気ニむナ。



稻羽いなばらすでナイ、申せ。」


「人から生まれた妖怪。としか、今は。」


なにソレこわい。


「中の西国、では。」


ゴクリ。


「今は、まだ。」



今は、というコトは生まれる。生まれるのか! 急ぎおにときへ。イカン、閉ざされたままだ。いつ開く。・・・・・・開く、のか。



「稻羽、急ぎ因幡いなばへ。」


「隠の世は閉ざされたまま、妖怪の墓場も同じ。」



八上比売やがみひめへ思いを』とおっしゃるのなら喜んで。違うのならわたくし、雪の上をゴロゴロ、ピョンピョンして参ります。



「稻羽よ。」


「はい。」


木俣神このまたのかみは、どのように。」


「穏やかに御過ごしです。」


「そうか。」


「はい。」



・・・・・・お願い、察して。水筋を辿れば、畏れ山の使い隠と話せる。のであろう? 霧雲山の統べる地は、中の東国ひがしくにに在る。果てまで行けば。



「大国主神。畏れながら申し上げます。」


「ウム。」


「人の世の事は、人の世で。」


「お、隠の世は頼れぬと。」



そうです、その通りです。そうなんです。御隠れ遊ばした神の多くが、耶万神やまのかみにイジワルを。それダケではナイ。


大蛇神おろちのかみ牙滝神きばたきのかみにソッポ向かれ、なかなか上手うまくイカナイ。



開いているのは三つ。他は全て閉ざされ、行き来できない。恐ろしい妖怪が生まれているのに、御頼み出来ない。打つ手が無いのだ。


このままではイケナイ。何とかシナケレバならない。なのに、どうすれば良いのか分からない。ないナイ無いナイ、無いんだよぉぉ。



「中の東国でも生まれたが、片付いたと噂で。」


まことか。」


飛国とのくにからの使いが、そのように。」



見えた! 収まるぞ。急ぎ使いを。


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