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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
710/1585

8-194 心の中で大騒ぎ


「コウ、コウ!」


ガタガタ震えながら叫び、うずくまった。


「どうしたの、ツウ。」


駆け寄ったコウが、ツウをギュッと抱きしめる。


「闇が、闇が広がる。」



ウルウルしながら、両のてのひらを上に。あたたかい光が二人を包み込む。ふと気付くとツウの手に、見た事の無い鏡が。



「ツウ、この鏡。鳥の谷で触れて、消えた?」


「えぇ。谷で見た時も、こうして輝いて。」






金色の雲から射す光の下に、ツウとコウが居る。ツウの手には、白く輝く鏡。寄り添う二人に微笑みかけるように、フワフワ浮かんでいる。



「ニャッ! ニャンだ、この輝きは。」


雲井神くもいのかみの使わしめ、ゴロゴロ。


あまつ神の御力だ。」


雲井神、ウットリ。



・・・・・・天つ神と、おっしゃいましたか?



「あら、空が。」


「フクよ、空ぁぁぁ。」


「どうした、キラ。」


「こ、コン。化かしてない、よな。」



祝オットリ、三妖怪ビックリ。



天つ神が迎えに? いや違う。浮かんでいるのは鏡だけ。ツウもコウも、しっかり立っている。



雪雲のように見えるが、あの雲は・・・・・・。雲の神?


豊かな雲をあおぎ見る事が出来る、大いなる地の優れた様を讃える、神で在らせられるのか。






「チュウ。」


「クゥ。」


「モォォ。」


「ヒヒィン。」


「クエェ。」


「ピィ。」


「ヲォ。」


「ニャァ。」



金色の光は、おにときにも届いた。和山なぎやまみねから隠神が、仲良く並んで見上げ為さる。



大蛇神おろちのかみ、この光は。」


豊雲神とよくものかみの御力だ。」



高天原たかまのはらの奥深く、決して御姿を現わされない。


どこに御坐おわすのか、天照大御神あまてらすおおみかみも御存じない。つつしみ深く美しい神が、御力をふるわれた。


何があった! 考えられるのは一つ。けれど、まさか。






「コウ。私たち、契りましょう。」


「うん。オレが大人になるまで、待って。」


「こっち向いて。」


・・・・・・チュッ。



ツウから口づけされ、コウが固まった。


フクは目を隠すフリをして、指の間からシッカリ見てマス。愛し合う二人から、甘い何かが。となれば皆、心の中で大騒ぎ。



暫くすると鏡から、光の玉が飛び出した。


それが何なのか、良く分からない。けれどキラキラ輝きながら、ツウとコウの周りをクルクル。優しく美しい光が空に近づき、二手ふたてに分かれて飛んで行った。


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