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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
707/1588

8-191 道場破りか!


大貝山の統べる地に蔓延はびっこっていた、悪い妖怪が消えた。耶万神やまのかみによる大祓おおはらえで、きれいサッパリ。


海を越えて来たバケモノは生き残ったが、投げ捨てられた腰麻こしまのアキを食らってゲッソリ、ヘロヘロ。



何が起きたのか、全く分からない。近くを通りかかった妖怪の話では、もの凄い臭いがしたと。直ぐに風上へ逃げ、雪に突っ込んだそうだ。



大石と加津の国守に、腰麻の祝。三妖の話をザックリ纏めると、こんな感じ。



他の妖怪とは違うバケモノが、耶万神による大祓に耐え、生き残った。蓄えていた力を失ったのだろう。禍禍まがまがしい闇のようなモノを、ヒシと感じる。


『長く居ると危ない』と思い、うねに捨てようと連れて来たアキを、闇の力で投げ込んだ。



暫くすると食われたのか、アキの闇が消える。


それから直ぐ増えた。腹を膨らましたふぐのような、傷を負った獣のような、ゾッとするような恐ろしい何かが。



大きく膨れ上がったソレは、滅びの時を迎える。


体の中に抱えていたのだろう。怨みか呪いか。強い何かが牙を剥き、はじける。激しく燃え立つ火に包まれ、跡形も無く消え失せた。






「あのバケモノ。この地に入った時に調べたが、祝とも妖怪とも違う、底知れぬ何かを秘めて居った。」


「はい。使いこなせぬにもかかわらずおごり、その身を滅ぼした。というトコロかと。」


「土。いや、良い。」



この感じ。『確かめに行きたいケド、行けないヨね』チラッ。ってヤツだ。



大貝神おおかいのかみ。」


「言うな、土。」



御目を輝かせて、まぁ。楽しそうで何よりデス! 確かめに行かせましたよ、子蜘蛛を。そろそろ戻るでしょう。けれど、ココはビシッと。



おおせのままに。」


お口、チャック。


「そうか。では気を付けて・・・・・・ん?」


「ん?」






「消えた。」


「動いた。」



嫌呂きろろ悪鬼おきが見合い、揃って尾をかかえる。


『わぁぁコレ、悪いヤツだ』と、心の中で大騒ぎ。コロコロ転がり気を静め、シュタッ。



「確かめに。」


「行きましょう。」



タッと駆け出し、耶万社やまのやしろへ。目指すは、タヤと念珠ねずが残した大穴。






「頼もう。」


道場破りか!


「はいィィ?」



目の前に現れたのはナント! 采に調べに遣った子蜘蛛と、耶万やまの大穴を見張らせていた子蜘蛛の糸を、一纏めにして差し出すコンコンず。


後ろ足で立ち、モフン。



気の所為せいか子蜘蛛たち、とっても幸せそう。って、ソレどころではナイ。大蛇神おろちのかみの使い狐が揃って、大貝社おおかいのやしろへ。


首から下げられた札が、強く光って眩しい。というコトは。


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