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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
692/1586

8-176 感謝を捧げる


日が暮れる少し前、谷西たにしの村に到着。


おにたちは涙する。生きている、生きていた。妻が、子が、思い人が。



「さぁ着いた。」


クベに下ろしてもらい、ゆっくり村へ。


「ありがとうございました。」


谷西のおさが、ミカの手を取りブンブン。



顔は戻したが、牙も角もそのまま。闇の力を操るのに、まだ慣れて無いから。引っ込めると上手うまく扱えなくて。


怖がられると思った。なのに迷わず、手を。ホッとしたミカは思い切って、長に伝える事にした。



「安井に残っていた家。使えそうだから、バラバラにして持って来ました。もし良かったら、使ってください。」



安井。滅ぶ前から、良い話を全く聞かない。耶万やまを裏切ってうね、安と組んだ。纏めて耶万に滅ぼされ、死に絶えたと聞く。



「はじめまして。大石のムゥです。」


ペコリ。


「はじめまして。谷西の村長むらおさ、イワです。」


ニコリ。


「おうち、使ってください。モヤモヤありません。」



モヤモヤが何なのか、長にはサッパリ解らない。けれど、悪いモノなのは確か。それが憑いて無いのだから、使っても障りない。そう考えた。



「確かに、悪いモノは憑いて居りません。」


谷西の社の司、控えめに登場。


「何があれば、私が清めます。」


祝も控えめ。



谷西の社の司には、残念ながら清めの力は無い。けれど、しきモノが見える。祝には清めの力が有る。



「皆さま、ありがとうございます。」


長が頭を下げた。


「そうか、良かった。組み立てよう。」



ミカが闇を伸ばし、家が建っていた所にポンポン置いた。焼け跡をサッサと片づけ、組み上げる。


一軒、また一軒。アッという間に完成。谷西の村人、揃ってポカン。・・・・・・スゴイ。



「こんなモンかな。」


ウンウン。


「スゴイ! ね、クベさん。」


「ミカさん、スゴイ。」



ハッ! しまった、遣り過ぎたか。



「ありがとうございます。」


・・・・・・良かった。皆、喜んでくれた。






「ミカさん。助けていただき、ありがとうございました。」



バケモノの姿とは、良く言ったもの。確かに恐ろしい。子が見たら泣くだろう。そんな姿をさらしてまで、谷西の皆を助けてくれた。救ってくれた。



「夜の間に根の国へ。裁きを受けたら、戻れます。」


「はい。」


「ココに居ないなら先に行って、待ってますよ。」


「そうですね。」



この人たちは良い人だ、直ぐに戻れる。根の国へは行った事が無いが、きっと。


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