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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
679/1583

8-163 ヨッ、千両役者!


「アンナさま。調査しましたが、壁の無い地には。」


「居ないか。」


「はい。」



見えない壁に守られた地を避け、北を目指す事は出来る。しかし力を得られなければ、イザという時に戦えない。それでは困る。


力を蓄えるには要る。なのに、思うように得られない。奥に入ろうにも閉ざされている。



人と妖怪の合いの子、アレは美味うまい。もっと欲しい。覗いた記憶によれば、居るには居る。千砂ちさ、加津、会岐あき、大石に強いのが。



丸丸まるまるとしてキラキラ輝いていた。あの目、絶品に違い無い。なのに、にもかからず、見えない壁に守られている。


アレを取り込むことが出来れば、もっと強い力を得られるのに。






「ヲォォ、居た居た。」


傷だらけだが、岩のような妖怪が一体。


「何だ。」


アンナに睨まれ、ニッタァ。


うねにな、強い妖怪が潜んでいると聞いた。」


「そうか。」


「オレのモノになれ。」


「は?」




「アンナさま、なぶりましょう。」


「疲れた。サッサと片づけよう、マリィ。」


「はい。」



瞬間移動し、ガブリ。ジュルジュルと吸い尽くし、骨まで食らった。



可也かなりのモノね。」


「力がみなぎります。」



アンナとマリィはしばらく、うねに残る事にした。食らった妖怪の記憶から、有益な情報を得られたから。


気の良いナニカが吹き込んでいた。『力試しをしたければ、采へ行け』と。つまりココに居れば、新鮮な食料にアリツケル。






「首尾は。」


上上じょうじょう。」



劇団コンコンの座長と看板役者、見合ってニッコリ。はい、その通り。悪い妖怪をそそのかし、采へ向かわせました。


ヨッ、千両役者!



嫌呂きろろさま、悪鬼おきさま。こちらへ。」


大貝神おおかいのかみの使わしめ、土。カサッ。



ここは大貝社おおかいのやしろ。進捗状況を報告しに、参りました。



統べる地に張り巡らされた、蜘蛛の糸は土のモノ。地蜘蛛の糸は強いんだゾ。蜘蛛の子を散らして、アチコチに仕掛けました。


大貝神は御考え遊ばす。この機に乗じて、悪しき妖怪を片づけようと。



悪代官のようにグッフッフと笑ってらっしゃいますが、直日神なおびのかみです。強面こわもてで『禍津日神まがつひのかみっぽい』なんて言われますが、直日神で在らせられます。



実は困ってイタのです。『大貝山の統べる地は、濃くて美味おいしい闇が広がっている』なんてデマカセが、まことしやかに広がって。



それはモウたいへんヨ。アッチコッチからワンサカ、悪しき妖怪がゾロゾロと。


ホイホイも、毒ダンゴもダメ。見向きもしない。そんな時でした。バケモノ上陸の一報が、社に届けられたのは。


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