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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
673/1583

8-157 厳罰に処す


マズイまずいマズイ。雨曝あまざらしって、幾ら何でも。そりゃ動けないから、コレでも良いんだろうよ。けどさ、違うと思うぜ。


・・・・・・せめて日除け、作ってくれよ。


眩しくて辛い。ヒリヒリする。あっ、アレか。オレを干物にする気か!



「大野のガガ。耶万やまに滅ぼされた国について、知っている事を話せ。」


浅木の、やしろの司が問う。


「は? 女の・・・・・・。」


ゴクリ。



何だ、何なんだよ。見える、オレにも見える。赤黒いモヤモヤを背負った女が一人、男が二人。コイツら人か、人なのか?



「見覚え、有るだろう。」


禰宜ねぎが闇から生首を出し、ガガに見せた。


「アッ!」


獣にかじられ、ゾッとするホド酷い。



死んだのか、あの狡賢ずるがしこい男が。いつもニヤニヤ、のらりくらり言い逃れる、あの男が。



「大野のカズ。裁きを受ける事なく、早稲わさの近くで生きたまま、獣に食い殺された。同じ大野だ、揃えるか?」


冷たい目で、祝。


「それは良い。」


禰宜、ニコリ。


「安のトモも、獣に食い殺された。」


社の司がサラリ。



えっ、と。え? トモが死んだ、殺された? 捕まったのか、嘘だろ。おいオイおいオイ、誰が残った。誰が生きてる。



「どうする、ガガ。」


「へ?」


「同じが良いか。」


・・・・・・誰と。


「話す気が有るのか、無いのか。」


来るな近寄るな。アッ、ちびった。






浅木の三人は、闇の力を生まれ持つ。


禰宜が闇からブツを出し、罪人に見せる。社の司は闇を注ぎ、中から押さえる。祝によって切り離された心と体は、裁きが終わるまで戻らない。


おにや妖怪の間では、知られた話。



裁きにより死んだ罪人の首は、社を通して手に入れた。獣が好むのは肉、鳥が好むのは目。残りを虫が食らう前に、闇で隔てて離す。



見知った者が首だけに。それも、酷く傷んで。


目はついばまれ頬は破られ、あごは外れ舌は引き千切られ。首から上がコレなら、体は。考えるダケで震えが止まらない。






「言い残した事は。」


「あ、りま、せん。」



悦のシュウにより結成された、組織の生き残りは二人。光江の水門頭みとがしらマツと、大野のガガ。


マツはピンピンしているが、ガガは死んでイナイだけ。心と体を切り離され、聞き分けの良い幼子おさなごのよう。



風通しの良い倉に移され、食事は日に一度ひとたび。水は三度みたび、たっぷりと。闇に守られているので、虫や小さな獣とは無縁。


全て片付くまで、隔離される。



釜戸社かまどのやしろ 特製の去勢台、大活躍。つまり垂れ流し、とっても臭う。


お世話係には、特別手当が支給された。


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