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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
616/1587

8-100 隠れ家の再利用


中つ国に存在する、不思議アイテム。


三種の神器、打ち出の小槌、聞き耳頭巾など、イロイロ御座います。その中の一つが、闇食らいの剣。別名、叢闇剣むらやみのつるぎ



海を越え、やまと上陸。しづめ西国にしくに転転てんてんとしたのち儺国なのくに大王おおきみの手に。


耶万やまとのいくさやぶれ、中の東国ひがしくにへ。それからは食らい放題。



濃く深い闇にドップリ浸り、グングン吸い込みポヨンポヨン。戦を好む耶万の大王を操り、ぶんぶんエクササイズ。苦も無く、我儘ボディがシュッとした。



大貝山の統べる地で執り行われた大祓おおはらえの儀で、つるぎの芯まで祓い清められピッカピカ。生命力、馬力ばりきともに大赤字。逆さに振られても、鼻血も出ない。






いくら守られているとはいえ、そのようなモノ。耶万に据え置くのは、危ういのでは。」


一山いちのやまの治めのおに、鳶神。クワッ。


「大貝山に、神倉ほくらを建てるか。」


ポツリと、大蛇神おろちのかみ


津久間つくまの神倉には弓、一山の神倉には矢。どちらも人のときからは、決して入れません。けれど大貝山は。」


言い難そうに、鵟神。



「人の世からは、決して入れず。」


「人に暴かれず。」


「人と闇を、遠ざける地。」


・・・・・・。




隠の神倉に入れるのは、隠の世に御坐おわす隠神だけ。近づけるのは、許し札を授けられた使い隠。人はモチロン、国つ神にも近づけない。


そんなトコロに入れられる代物しろものが、心躍こころおどる品であるワケがナイ。どの不思議アイテムも人を狂わせ、人の世を乱すモノ。




「やまとの品は、やまとに隠す。けれど、叢闇むらやみの名を持つ品は。」


全て、海を渡ったモノ。


「大蛇神。もしや、他にも。」


『お願い、違うと言って』という御顔で、梟神。


「闇食らいの鏡、叢闇鏡むらやみのかがみ。闇食らいの珠、叢闇珠むらやみのたまいづれも、鎮の西国に入った。」


何てコッタイ!




「叢闇鏡は、鎮の西国。対国ついのくにに。」


そうおっしゃると、特別席からポタッと落下。フラフラと席に戻られた、竪羅山たてらやまの治めの隠、蝙蝠神こうもりのかみ


「叢闇珠は、鎮の西国。岐国きのくにに。」


荷馬車に乗せられた仔牛のような目で、岳辻たけのつじの治めの隠、牛神。




生命力の塊である黒いカサカサなら、燻煙剤で防除できる。どちらも同じ、忌み嫌われる存在。にもかかわらず、全く効かない。


アレは生き物だが、鏡も珠もモノだろうって? その通り。しかし叢闇の品には『闇を食らい、わざわいもたらす』という、意志が有るのです。






耶万社やまのやしろの下には、中つ国と根の国のさかいがある。その近くに、タヤと念珠ねずが暮らした穴が。」


闇が動けば判る場所を、思い出された鳶神。


「あそこなら、人は入れぬ。」


和山社なぎやまのやしろに集いし隠神、揃ってウンウン。


「大貝山に埋めるより、良かろう。」




剣は妖糸に巻かれたまま、耶万に隠されるコトに。地蜘蛛の詰所もあり、安全です。


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