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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
614/1583

8-98 とっても大事よ、報連相


「見て見て、わっるい顔。」


悪鬼おき嫌呂きろろに話しかける。


「わぁぁ。悪意おいと同じだ、あの目。」


・・・・・・。


「思い出しますねぇ。」


「忘れたいよ。」



軽く落ち込むコンコンず。見合い頷き、ゲッソリ。話し合いの末、嫌呂が一山いちのやまに伝えに行くコトに。






「なんと。」


一山に御坐おわす治めのおに、鳶神。ビックリ!


「人のときでは、そのように。」


大蛇神おろちのかみの使い、嫌呂。ニコッ。



「で、そのつるぎ。今はドコに。」


耶万社やまのやしろに、隠して御座ございます。」






第一発見者、嫌呂は語る。剣が見つかってから、社に安置されるまでの一部始終を。



先代、耶万王のやかたは焼け落ちたまま。社の横に立てられた家で、まつりごとが行われている。もともと刈り入れののち、片付けると決まっていたのだ。


天気も良いし、チャッチャと済ませよう。


嬰児みどりご幼子おさなごに任せ、動ける者がセッセと働いた。すると、何かがピッカァン。ぐに人を遠ざけ、妖怪のてだてで取り出しツンツン。



闇を纏っていたと思われるソレは、大祓おおはらえの儀によりピッカピカ。ドコにでも有りそうな、大きいダケの古い剣に。とはいえアブナイ。



しづめ西国にしくに儺国なのくにから奪ったという剣。見たコトは無くても、多くの人が聞いて、知っていた。だから社に隠し、神にお任せしようと。



耶万神やまのかみは急ぎ、大貝社おおかいのやしろへ使いを出し為さる。『一度ひとたび、闇を纏った剣が見つかりました』と、大貝神に御伝えするために。



耶万社にて二柱。スミズミまで御調べ遊ばしたが、何の力も感じられなかった。しかし念のため土の糸で、剣をグルグル巻きに。



大貝神の使わしめ、土は地蜘蛛の大妖怪。その糸には、闇を遠ざける力が有る。闇堕ちした祝にも切れなかった一級品。


百妖乗っても、ガンガン引っ張り合っても大丈夫!



人の目には見えない。祝の力が有っても見えない、蜘蛛の糸に包まれた剣である。とんでもなく強い闇を纏った神が、御手に取られない限り、ビクともしない。




剣が見つかったのは昨日きのう


なのにナゼ、隠神は御存知ごぞんじないのか。そうです。耶万神も大貝神も、報告するのを忘れてました。



イケナイんだぁ。報告・連絡・相談、略して報連相。とっても大事だゾ! 忘れないで。






「・・・・・・ハァ。」



やまと隠の世は全て、閉ざされている。しかし緊急連絡用に、和山社なぎやまのやしろの許し札を持たされている狐が。


御存知、嫌呂と悪鬼。



一山から隠の世に入って、鳶神に報告。それから特別仕様の輿こしに乗り、和山社へ。このたびは、嫌呂がモフッと参りました。



はじまりの隠神で在らせられる蛇神、大蛇おろちは御機嫌ナナメ。めぐし子マルと楽しく過ごしていたのに、お呼び出し。


そりゃ、溜息くらいくよ。


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