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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
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8-44 ひ孫は


「な、何なのよ。」


大王の命を受け、アンリエヌを出たアンナ。ボロボロ。


「こんな東の果てに、あのようなイキモノが居るとは。」


マリィもヘロヘロ。






はじまりの一族は強い。中でもカー王は、歴代最強。


そもそも化け王にかなう生物など、どこにも存在しない。才を奪い、使いこなすのだ。老いず死なず、アンリエヌを統べる。それが当代、化け王。



ジル王の遺志を継ぎ、全ての才を奪った。才は不幸を招くから。アンリエヌの平和を守るため、ひたすら収集の才を使った。



才を奪われ、日の下に出られなくなった。それでも夜なら戦える。それが大王一派。生き残るために生み出した。


人など足元にも及ばない。しかし、魔物としては弱い。それがアンリエヌで生まれた、新たな一族。






「新たな魔物?」


「まさか。」



はじまりの一族は才を失うと、長生きするのか。才を失い、進化したのか。いづれにせよエド、ジャド、ベン、ウィは生きている。


収集の才を持つ化け王、カーは不老不死。大王から王座を奪い、アンリエヌを治めている。つまり、大王一派は飾り。弟である化け王、カーには逆らえない。



兄姉たちは待った。才に似た力を生まれ持つ、新たな一族が育つのを。


すべては化け王から王座を奪還し、アンリエヌ王となるため。生まれた子を厳しく育て導き、鍛え上げた。



「しかし、化け王なら。」


「生み出し、放つか。」



マリィは傑作、アンナは最高傑作。その二人が苦戦する? 有り得ない。崇高な理想の実現を妨害するため、ヤツは!


我らは使命を果たす、そのために存在するのだ。



王城地下でイライラしながら、送られてくる映像を見る。全て、二人の目を通したモノ。嘘でも偽りでもナイ。信じたくないが、このままでは。


化け王を倒すには、不死の才が。こちらに有れば戦える、勝てる。カーが死ねば才が放たれ、はじまりの一族が増える。悲願達成のためには、要るのだ!






「行くわよ、マリィ。」


「はい、アンナさま。」



化け王を倒せば、日の下に出られる。日の光に怯える事なく、好きに生きられる。


奪って奪って奪って、大王が覇権を握る。それがアンリエヌの、あるべき姿なのだ。



アンリエヌは大王の国。化け王は控え、使い捨ての駒。何が収集だ。呪われた才など、滅んでしまえ。






「やれやれ。いつまで待たせる気なのだ、兄上は。」



王座を奪ったのは、アンリエヌのため。民の暮らしと幸せを守る、それが王族。なのに大王はいくさ、戦、戦。奪う事しか考えない。


三代かかって収集した才は、私が死んでも放たれない。次の化け王に引き継がれ、永遠に守られる。



・・・・・・子か。


たとえ誰かと契っても、子など望めない。違う生き物なのだ、生まれるワケがない。




「おじい様。」



申し訳ありません。ひ孫は、諦めてください。


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