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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
541/1585

8-25 笑顔で御する


「シッカリなさいませ。」


祝辺はふりべもり、クワッ。


「いやイヤ嫌よ、閉ざしますぅ。シズエ、何とかして。」


御目を潤ませ、使わしめにすがる国つ神。


山守神やまもりのかみ。シャキッと為さいませ。」


使わしめ、クワッ。



和山社なぎやまのやしろからの急ぎの知らせは、恐ろしいモノだった。化け王とは違うバケモノが、やまとに入ったと。



才を奪われた王族の血を引く、アンリエヌのバケモノたち。生き血をすすらなければ生きられない。人を含めた動物を、エサとしか考えない。


そんなバケモノが、霧雲山を目指している?



「山守神、お忘れですか。才を失ったバケモノが、どのように命を繋ぐのか。」



才を奪われ闇に潜んで、生き血を啜ることで生き長らえて。それで、えっと。そうそう。日の光で消えるのよね、バケモノって。


・・・・・・聞く限り、違うような。エッまさか、強く生まれちゃった? こわいコワイ怖いぃ。そんなの、来ないでよ!



「シズエ。私、決めました。」


「イケマセン。閉ざすのは、次の夜です。」


「そんなぁ。もし、もしよ。飛んで来たら、どうするのよぉ。」


オォヨヨ、オヨヨ。サメザメ。






「整ったか、ながれ。」


「はい、渦風神うずかぜのかみ。」


神と使わしめ。見合って、ニッコォ。



昼までに、神成山かみなりやまの統べる地を閉ざす。


おにときから、全て戻ったと知らせが来た。直ぐにでも閉ざせるが、しづめ東国ひがしくにには今、西国にしくにの使わしめが集まっている。


白神社しろかみのやしろから出て、この地を通り過ぎるまで待とう。



なぁに、閉ざしても障り無い。おそれ山、霧雲山、神成山は結んでいる。閉ざしても、使わしめは通れる。隠の世に行けないダケのコト。



「ニャッ、ニャァ。そろそろ御手を。」


流は毛並みの良い、猫の妖怪。


「ん、ココか? それとも。」


渦風神、ニャンコ派で在らせられる。


「お、御嫁に、行けニャイぃ。」


モフもふモフゥゥ。






「申し上げます。」


火炎神ほむらのかみの使わしめコロ、スッと平伏す。


「ウム、整ったか。」


「ハッ。」



統べる地を閉ざす。


隠の世からさっき、全て戻ったと知らせが来た。北隣の斑毛山まだらげやま、その隣の越道山こしみちやま。南隣の津久間つくま、その隣の大貝山、具志古ぐしこも閉ざされた。


中の東国で残るは、神成山と霧雲山。そして、畏れ山。


神成山は、西国の使いが通り過ぎるまで、待つだろう。霧雲山は、次の夜が明けるまで。



「申し上げます。南国みなのくに、全て閉ざされました。」


日暮れ前、四つ国が閉ざされたと知らせが。残るは鎮の西国、中の西国、真中の七国の三国みつくに


「畏れ山の統べる地を、今すぐ閉ざす。」






「あっ、畏れ山。」


「閉ざされましたね。」


笑顔でぎょするシズエ。強い!


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