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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
525/1583

8-9 他力本願もホドホドに


「聞きたくない、聞きたくない、聞きたくないぃ。」


夜着にくるまり、山守神やまもりのかみ。ブルブル。


「シッカリなさいませ。」


「だってシズエ、皆さまおっしゃるの。『流山を、御取り遊ばしたトカ』って。」


「『御譲りくださったの。オホホ』とでも、仰れば。」


「そんなコトぉ。」


オォヨヨ、オヨヨ。




ある日、大貝神おおかいのかみと山守神。流山の地についてはかられ、御決め遊ばす。流山の地を、霧雲山の統べる地に加えると。


まことであれば、大社おおやしろ大札おおふだが用いられた。と、いうコト。



神の、神による、神のための結び。そのような大事おおごとを、なぜ。流山に何か有るのか。


にこやかにグイグイきなさる神神かみがみに、山守神。にこやかにサササとかわされ、御籠り遊ばした。



「甘い物は、いかが?」


「・・・・・・頂くわ。」


出雲名物『神在団子かみありだんご』。神神にも大好評。






「流山?」


「長瀬山の事ですよ。」


「あぁ確か、水豊神みとよのかみの。」


「御隠れ遊ばし、幾年いくとせ。」



神様も、噂話が御好き?



「闇など溢れても、直ぐに清めれば。」


「そうそう。」


「流山は霧雲山の統べる地に、近かったな。」


「闇を投げ込まれる前に、か。」


「巧みですなぁ。」


「ほんに。」


ワッハッハ。



あたらずといえども遠からず。



「闇といえば、西国にしくにの。」


「何か?」


ねばっこいと言うか、絡みつくと言うか。」


「ホウ。」



そりゃ違います。根の国の、闇入りデスから。



おにとき、隠神は闇に御強い。」


「務めを果たしている間に。」


「サクサクと。」



それは、どうでしょうね。



「変わった感じがしましたが。」


「生まれれば、判るコト。」


「楽しみですねぇ。」


「ほんに、ほんに。」






変わった感じがしたのは、人の子では無いから。おぞましい事により、宿った命。人の血が勝っても、見た目が違うかも。見た目は同じでも、妖怪の血が勝つかも。



生まれて直ぐ、判る。人の血が弱ければ、母の命は無い。はらを食い破って出て、むくろを食らい尽くす。飢えを満たすため、次から次へ。


そんな子が多く生まれれば、里や村から生き物が消える。国が傾き、滅ぶだろう。



隠の世は閉ざされた。中から力をふるい、止めているダケ。増えるコトは無いが、消えない。それだけ。


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