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祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
522/1583

8-6 隠せなかった、隠し事


耶万やまとの話し合いに向かった、やしろの司たち。良神らのかみ那神なのかみは、使わしめスオを御付け遊ばす。何かあってはイケナイと。



大磯川を越えて、少し進んだ辺り。人の子が倒れていた。スオは察して戻る。社の司と、行き倒れを担いで。


良那らなからの使いを迎えに、耶万を出たアコ。毒が回ってバタンと倒れ、動けなくなっていた。八つか九つに見えるが、十一の子である。決して死なせない!



偶偶たまたまおさが持っていた。良く効くと聞き、センから手に入れた良村よいむらの毒消し。引っ越した北の地で見つけた草を混ぜ、効き目が強くなった。そう聞いている。


良い話を全く聞かない早稲わさだが、稲と薬を作るてだては秀でている。その早稲から出て、新しく作ったのが良村。何でも、草と薬に詳しい兄妹が居るらしい。






「フム、居るぞ。」


はじまりの隠神おにがみで在らせられる、大蛇神おろちのかみ。ドヤ顔。


「大蛇神。なぜ良村の毒消しは、耶万の毒に効いたのでしょう。」


早稲神わさのかみが、お尋ねに。



早稲神だけではナイ。風見神かぜみのかみ殺神あやかみ海神わだつみのかみ大貝神おおかいのかみ津久間神つくまのかみ具志古神ぐしこのかみ耶万神やまのかみも、なぜだろうと。



「知らぬ!」


ですよね。


「だが良山よいやまには、珍しい草が多い。」



いわおの毒を作るのに要る草花は、とても珍しい。嵓社いわおのやしろの近くにボウボウ生えているが、他ではまれにしか見つからない。その多くが、良山にも生えていた。


それだけでは無い。毒嵓どくらの毒を消す草や、良山にしか無い草花まで。



嵓の薬人くすびとが入山したら、狂喜乱舞するコトでしょう。それくらいスゴイんです。




「少し、よろしいか。」


嵓神いわおのかみ。出雲名物『神在団子かみありだんご』を持って、御出座おでまし。


「おや嵓神。甘い物より、酒では?」


風見神、パチクリ。


「私は酒より、甘い物が。」


酒は嗜む程度で、嵒神は甘党。酒好きは使わしめ、よろづです。






「先ほど耳にしたのですが、しづめ西国にしくに。中の西国、真中まなか七国ななくにでも、闇が溢れたとか。」


声を落として、嵓神。


「なんと!」


大蛇神を除く神神かみがみ、ビックリ。



直ぐに清めて、何とかナッタ。しかし、闇を溢れさせるとは。


耶万から溢れた闇には、根の国の闇が混じっていた。西国や七国で溢れた闇には、どのようなモノが混じっているのか。



「もし根の国の闇が。いや、そのような。」


耶万神、ポツリ。


「根の国の闇が絡み、うごめくそうな。」


大蛇神の爆弾発言に、神神ポッカァン。






おにとき和山やぎやまいただき。はじまりの隠神が御坐おわす、和山社なぎやまのやしろめぐし子マルを守るため、大蛇社おろちのやしろと繋がっている。


つまり良山に居ても、告げ知らせが届く。隠の世を守るため、直ぐに。


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