表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝 ~hafuri~  作者: 醍醐潔
大貝山編
517/1588

8-1 会議だよ、全神集合!

耶万から溢れた闇は、大祓により清められた。ホッと一息。なのに直ぐ、始まりました。神議り@出雲。行きたくないよ、休みたい。欠席連絡よろしくネ。なんて、通るワケがナイ。


チクチクちくちく、ヤな感じ。どこにでも居るんです、意地悪。で、とんでも無いコト起きました。助けてください? 知らないよ。雨降って地固まった、大貝山の統べる地。対して、イジワルなさった神の統べる地は・・・・・・。


かもしれないカモシレナイ、分からない事が多すぎる。だからって諦められない、諦めない! 大貝山編、はじまります。


一年ひととせ一度ひとたび杵築大社きづきのおおやしろ八百万やおよろづ千万神ちよろづかみ神集かむつどいまして、神議かむはかり。


平たく言うと、『神サマいっぱい集まって、会議するよ』と相成る。遠かろうが眠かろうが、気乗りしなくても、お腹が痛くても必ず! 御出おいでに。



強制参加、強制出席、強制収容。やまと国つ神連盟、三Sである。参加賞として最終日、御神酒一甕が贈られる。勿論、大吟醸。


やまと全国、津津浦浦から厳選された銘酒が集められる、夢の祭典。飲兵衛にはタマラナイ。




古代にも、自宅警備員は存在する。


神様いろいろ、好みもイロイロ。『お酒より、甘いモノが好き』『神混みはイヤ』『社から出たくない』などナド。ぐずぐずとアレコレおっしゃり、あまの岩屋戸よろしく、御籠り遊ばす。


そんな時、活躍するのが使わしめ。酒宴、じゃナイ。議りの御知らせを掲げて、ニッコリ。なだすかして連れ出し、議場へポイッ。



神議りの間、使わしめは満喫する。観光、美食、散策などナド。羽を伸ばせる大チャンス! のがしてなるものか。本気を出した使わしめに、かなうとでも?






「我は出ぬぞ。」


「そう仰らず。」


大社おおやしろの使い兎、涙目。このままでは、出雲に帰れない。


「おりょち、いてらっしゃい。」


ニコッ。


「・・・・・・はい。」



はじまりの隠神、大蛇おろちおにとき和山社なぎやまのやしろに御坐す。


人の世でウッカリ初代、牙滝神きばたきのかみに就任。いろんな御誘い、ことごとくプイッ。大社の議りのみ、今の牙滝神で在らせられるウタさまが、代わりに。


めぐし子マルが良村よいむらに、石積みの社を作った。大蛇社おろちのやしろである。村の皆からも崇められ、人の世の神位、再びゲット。出雲の議り、出ないとネ。






「いやぁ! 出たくないぃぃ。」


山守神やまもりのかみ。務め、果たされませ。」


「果してるモン。」


「可愛く仰っても、連れ出します。」


「シズエ冷たい。私、泣いちゃう。」


「どうぞ。引き摺り出して、縛り上げて、輿こしに御乗せ致します。」


笑顔だが、手には縄。この妖狐、本気である。






大貝神おおかいのかみ、そろそろ。」


「土。このたびは休んでも、良いのでは。」


「イケマセン。さぁ、御乗りください。」


「趣のある輿に・・・・・・。」


「ハイ。私の糸で、繕い直しました。」


特製袋スポッ、口をシュッ。引き寄せてポンッ。


「つ、土?」


「参りましょう、出雲へ。」


一柱、ご案なぁい!






「ハァ。」


早稲神わさのかみ?」


さね、休もう。眩しくてクラクラする。」


「では遠回りして、隠の世から。」


「いやっ、それは。」


「さぁ、参りましょう。」


手段を選ばない狐、実。アルカイク・スマイルが、マブシイ。






他のやしろでも使わしめ。岩屋戸いわやとを、エイッと開く。隠も妖怪も力持ち。笑顔で優しく? エスコート。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ